これは良く書けてるな、橋本節炸裂。
1947年をもって、旧憲法、旧民法で定められていた家父長制は、法令上は、日本社会から一掃されたはずだが、なんのなんのいまでも家父長制の文化は、根強く残存している。
国会議員をみてみろ。じじいばっかりだろ。しかも、自民党議員にいたっては、ほとんどが世襲だ。
いまだに「戸籍制度」という前近代の遺物を残し、「事実婚」も「未婚子」も増えず、「法律婚」では、ほとんどの女性が男性の姓に改称し、男性の「家」に「入る」。いまだに、「男に扶養されたらよかろーもん」と言わんばかりに、女性は、就業上も劣等処遇を余儀なくされる(確率が高い)。
橋本は、奈良時代までの「女帝」の系譜をたどり、平安時代以降の家父長制の歴史を講釈する。(第6章)現代の家父長制をめぐっては、小池百合子、「スター・ウォーズ」、「バットマン」、「スーパーマン」における父子問題、学生運動、セクハラとパワハラ、森友、加計学園問題等々、噺は目がまわるほど二転三転し、「くたばれ家父長制のおやじ文化」という強靭なメッセージが残る、おもしろくためになる快作!
「父はえらい、男はえらい、だから説明能力がなくてもいい」そんなバカげた世界は、とっくの昔に崩壊している!トランプ大統領の出現後、日本の組織でもパワハラ、セクハラが露わになり、官僚や大学のオヤジ体質が暴かれていく。男たちの「論理」が通用しない時代に、なぜ「父権制の亡霊」がはびこるのか。都知事選の変遷、ハリウッド映画の分析、学生運動の成り立ちから政治家のスキャンダルまで、あらゆる現象を歴史的にひもときながら、これまでの「当たり前」が失効する世界の到来を説く。ベストセラー『知性の顛覆』に続く、橋本治による最後の指南!
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