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本と音楽とねこと

コンヴィヴィアリティのための道具

イヴァン・イリイチ,渡辺京二・渡辺梨佐訳,2015,『コンヴィヴィアリティのための道具』筑摩書房.('17.12.17)

 いまにして思えば、イヴァン・イリイチとは、ありもしない懐古趣味のユートピアを過去の歴史に捏造し、自然主義のロマンにかぶれた愚か者たちを扇動した思想的詐欺師でしかなかった。その思想を精力的に日本へ紹介した山本哲士というのが、ろくにまともな日本語の文章も書けないどアホで、こいつらはほんとうにどうしようもない混乱を思想界にもたらしたものだった。
 「コンヴィヴィアリティ」?そんなもん、実在したこともないしこれから実現することもない。学校化・病院化社会批判は、一種の制度の「逆機能論」として読めば得るところの大きい思想だったとは思うが、それ以外はみんなゴミだ。

目次
1 二つの分水嶺
2 自立共生的な再構築
3 多元的な均衡
生物学的退化
根元的独占
計画化の過剰
分極化
廃用化
欲求不満
4 回復
科学の非神話化
言葉の再発見
法的手続きの回復
5 政治における逆倒
神話と多数派
崩壊から混沌へ
危機の洞察
急激な変化

ますます混迷の度を深め、閉塞感が高まる現代。現行の諸制度に対する不満がさまざまな形で噴出している。では、めざすべき新たな社会とはどういったものか―。イリイチはそれをコンヴィヴィアリティ(自立共生)という言葉に託した。人間の本来性を損なうことなく、他者や自然との関係性のなかでその自由を享受し、創造性を最大限発揮させていく社会、技術や制度に隷従するのではなく、人間にそれらを従わせる社会、それは決してユートピアではない。近年興隆する脱成長論の思想的源泉をなし、新たな社会を構想するためのヒントが凝縮された、不朽のマニフェスト!

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