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本と音楽とねこと

My Name Is Buddy(2007)

Ry Cooder,My Name Is Buddy(2007)
 アメリカの音楽文化、その懐の深さをまざまざと実感させてくれる好アルバム。Ry Cooderが現代によみがえらせたのは、「帝国」とは異なる、純朴でナイーヴな「もう一つのアメリカ」、そのサブカルチャーの水脈だ。

バディ・レッド・キャット、レフティ・マウス、トム・トード牧師と一緒に旅に出よう
その旅の先にあるのは労働、権力者、農場の不作、ストライキ、カンパニー・コップ、サンダウン・タウン、そして列車...
それは過ぎさりし、古き良き時代のアメリカ --- 。
◆名作『チャヴェス・ラヴィーン』(2005年作品)以来、2年ぶりとなるライ・クーダーのニュー・アルバムは、放浪の赤猫(Red Cat):バディの物語。名手ライによる、音楽でしるされた、17章の人生の物語 ---。
前作に続き、物語性の極めて高い作品であり、ストーリーテラーとしてのライ・クーダーの奥深さと才能を、改めて証明するアルバムとなることでしょう。
◆前作では、ストーリーと共に、ヒスパニック系のアーティスト達がメイン・フィーチャーでしたが、この作品では伝説的なバンジョー・プレイヤーであるマイク・シーガーとその兄弟のピート、更には奇才ヴァン・ダイク・パークス、テキサスの名アコーディオン・プレイヤー、フラコ・ヒミネス、そして実の息子のホアキン・クーダー等、錚々たるミュージシャン達が参加して、芳醇で味わい深い音楽を展開している。収録されている17曲には、それぞれの歌/歌詞のほかに、ライ・クーダーによる過ぎし日のアメリカの物語が添えられている。
<作品の中のストーリー>
この作品の主人公である赤猫(RED CAT):バディが語る:
「この国をあてもなく歩いてみたくて、おれは故郷を旅立った。おわかりかな?おれの家族ときたら、住んでいた農場から一歩も出たことのないものばかりで。出るなんて考えたことすらないって。でも農場の生活は苦しくなる一方だし、そこにいてもおれには未来がないってことを、おやじも分っていた。もちろん、おやじもおふくろも農場を離れたことはなく、1キロ半先にだって何があるのかまったく知らないときた。ましてこのでかい国に何があるかなんて知るわけがない。'息子よ、道に迷うなよ'、それが二人から言われたことだ。そしてもうひとつ'忘れるな、神への愛は見つかる'と。
農場の真横には鉄道が走っていた。おれはスーツケースを手に持って、線路を越え、古い貨物列車の最後尾に飛び乗ると、二度と振り返らなかった。もしおれに字が書ければ、故郷に手紙を送れるのにな。もっとも、おやじたちに字が読めればの話だ」(以上、ブックレット掲載のストーリーより。翻訳:木村麗子)
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