11.23)
2008年6月8日に秋葉原で起こった無差別殺傷事件を「アベンジャー(復讐者)型犯罪」の一つとして位置づけ、犯罪の背景要因を、親の過剰な期待と挫折経験、インターネットをとおした自己愛の肥大、グローバリゼーションによる雇用の劣悪化等にもとめる。
一つの読み物としては、けっこうおもしろい内容だ。
新しい概念である「アベンジャー(復讐者)型犯罪」について、日本で初めて論じた画期的な著作。FBIアカデミーの国立暴力犯罪分析センター報告書など多くの研究を踏まえ、近年続く凶悪事件を詳細に分析。精神医学だけでなく、犯罪病理学の専門家でもある著者が、発達科学、自己愛心理学、サイバー心理学、神経科学、社会学、経済学などの多面的な観点から問題の本質に迫る。崩壊に向う日本社会を再生するための、新しいヴィジョンを示唆する。
目次
第1章 六月八日秋葉原
第2章 アベンジャーによる犯罪
第3章 社会性発達の異変と強まる生きづらさ―幼くなる子ども、幼くなる大人
第4章 傷ついた自己愛の復讐―アンバランスな自己愛の病理
第5章 アベンジャーを生む家庭、学校
第6章 ヴァーチャル・アベンジャーの悲劇
第7章 アベンジャーを生む職場―奴隷以下に貶められる労働者
第8章 格差社会の新しい麻薬―麻薬を必要とする社会
第9章 共感性の喪失と日本社会の崩壊
第10章 危険から大切な存在を守るために
第11章 日本社会を再建するために―日本が目ざすべき道
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