ワーキングプアや社会保障の不備による貧困問題ではなく、日本社会における思想・信条のあり方や政治体制の貧困を論じた本だ。読みとおすのには忍耐が必要だが、ところどころにはっとさせられる至言が散見され、それらを発見し反芻するだけの価値が本書にはある。
目次
第1部 関係の貧困
天皇制を問う視角―民主主義の限界とリベラリズム
付論 補足と解題―天皇制・民主主義・リベラリズム
第2部 共同性の貧困
個人権と共同性―「悩める経済大国」の倫理的再編
第3部 合意の貧困
合意を疑う
政治的知性の蘇生に向けて
コンセンサス社会の危機と変革
私たちの生を包む諸関係は、深刻な病理を抱えているのではないか。象徴天皇制が象徴する「関係の貧困」、会社主義が具現する「共同性の貧困」、五五年体制の遺産たるコンセンサス原理が孕む「合意の貧困」、この三つの病因から、日本社会を構造的に診断。リベラリズムに基づく社会の再編へむけて、ラディカルな思想的処方箋を描く。
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