
高橋さんは、けっして、フィンランドの高齢者福祉を称揚するわけではない。ただ、たんたんと、フィンランドの独居高齢者の生活、高齢者と介護者との関わりを綴るだけである。
文化人類学者としてのスタンスと、高齢者や介護者等へのエンパシーのもち方、そのバランスがとても良い。
地味な作品ではあるが、いや地味だからこそおすすめできる作品である。
風土、家族、地域、自由、記憶。5つの章から、フィンランドの高齢者介護のリアルを描き出す。親族介護者、ディアコニ、帰還担当官、メモリーコーディネイターなど、さまざまな人びとに支えられるケアの現場に、何を見いだすことができるのか。島嶼地域に暮らす独居高齢者を長年にわたり調査してきた気鋭の文化人類学者が、制度と実践の両面から「年老いていくこと」の本質をすくいとる。
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