本と音楽とねこと

ワンダー

 大人が読めば、たんなる「感動ポルノ」として切り捨てられてもしようがない内容だが、児童書としては、たいへんよくできていると思う。
 主人公のオーガストだけでなく、きょうだいや友人たちの語りごとに章立てがなされており、子どもの心情がこと細やかに表現されている。
 子どものころにこのような本を読めば、「障がい者」への差別感情がやわらぐことになるのはまちがいない。

R・J・パラシオ(中井はるの訳),2015,『Wonder ワンダー』ほるぷ出版.(2.10.2019)

オーガスト・プルマンはふつうの男の子。ただし、顔以外は。生まれつき顔に障害があるオーガストは、はじめて学校に通うことになった。だが生徒たちはオーガストの顔を見て悲鳴をあげ、じろじろながめ、やがて「病気がうつる」と避けるようになる。一方で、オーガストの話をおもしろいと感じる同級生は少しずつ増えていた。そんなとき、夏のキャンプで事件が起こる……。全ての人に読んで欲しい、心ふるえる感動作。

R・J・パラシオ(中井はるの訳),2017,『もうひとつのワンダー』ほるぷ出版.(2.10.2019)

いじめっ子のジュリアン、オーガストの幼なじみのクリストファー、優等生のシャーロットの3人の視点から語られる「もうひとつのワンダー・ストーリー」。この本の中ではオギーは脇役であり、オギーとの出会いによってそれぞれがどのように影響を受けて変化していったかを描いています。冒頭には、続編は書かないつもりでいた著者が『ワンダー』刊行後に米国で起こった「ジュリアンになるな」運動に違和感を持ち、本作を書くことにした経緯がつづられています。

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