現代の貧困―ワーキングプア／ホームレス／生活保護

岩田正美,2007,『現代の貧困―ワーキングプア／ホームレス／生活保護』 ,筑摩書房（新書,￥735)'08.2.13
・・・記述的な概念としての「格差」でなく遂行的な概念としての「貧困」に焦点をあてたところに、本書の価値はあるのだろう。古典的な貧困研究やホームレス調査結果の知見から導出される論点、政策的提言には説得力がある。ただ、グローバリゼーションや新自由主義的経済政策の帰結としての「新しい貧困」問題についての言及が乏しい。手堅い「中範囲の理論」にはなっているが、マクロな視点からの構造論的分析も必要だろう。