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本書は、奥山さんが末期がんで亡くなる前までの、三か月余のブログ記事等を収録したものだ。
不謹慎なことではあるが、まだ元気が残っていたときの記事はあまり面白くなかったが、死期が近づき、歩くのもままならない状態に入ってからの記事は、緊迫していて、読みごたえがあった。
メメント・モリ。人は、生まれた直後から、死へのカウントダウンが始まる。切迫した気にならないのは、「まだ先のこと」という気休めがあるからだろう。
「幸福な死」も「不幸な死」もない。死は死でしかない。生もまたしかり。ただ、ホスピスを嫌った奥山さんが、死の直前まで物書きの仕事をやめなかったのは、正しい選択であったのだろう。
オレを覚えていてほしい―。余命宣告期限プラス2ヶ月。ガンと闘いながら、どこまでも自分らしくあり続けることを望み、書くことに命を燃やし続けた男が逝った。『31歳ガン漂流』『32歳ガン漂流エヴォリューション』を経て、亡くなる間際まで力をふり絞って残したもの。
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