本と音楽とねこと

三体Ⅲ 死神永生(上)・(下)

劉慈欣(大森望、光吉さくら、ワン・チャイ、泊功訳),2021,三体Ⅲ 死神永生(上)・(下),早川書房.(6.1,2.2021)

 空前絶後の傑作SF小説、第3部、完結編が、やっと日本語に翻訳、出版された。
 仕事(遠隔授業)を縫うように、一日で上・下巻を読みとおす勢いだったが、午前1時半で断念。結局、一日半で読みとおした。
 奇想天外な話の展開と、わくわくするような天体物理学の蘊蓄、そして、大量虐殺描写の残酷さ。最後のこれがえぐい。
 一部では、ナノテクを駆使してつくられた極細ワイヤーが、「地球三体組織」のメンバーを、船舶ともども、切り刻んだ。二部では、「三体星人」が放った飛翔体、「水滴」が、「太陽系艦隊」を壊滅し、乗員は、宇宙空間に放り出され、あるいは爆発した艦船の原子炉の業火に焼かれ死んでいった。そして、本作では、太陽系全体が、三次元空間から二次元平面に折りたたまれ、数十億の人類が虐殺される。
 文化大革命、天安門事件、チベット、ウィグル弾圧と、20世紀後半の中国における大量虐殺は凄まじい。そうした中国の人気作家だからこそ書けた、残酷描写なのかもしれない。



ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「本」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事