「正社員」という言葉の異様さに気付かせてくれる好著だ。
定着農耕社会時代に定着した「共同体主義」は、20世紀後半以降の「企業」にも、もちこされ、経済の発展期は、「企業中心社会」のなかで中間層が増大したものの、経済の低成長期に入り、「共同体」の外部に遺棄される非正規労働者が増加するとともに、「正社員」の労働条件は切り下げられ、ワーキングプアが増加する。
その行きつく先が、ホワイトカラー・エグゼンプションやら、「裁量労働制」であって、わたしたちは、地獄の釜が開くのを、目の当たりにしている。もはや、黙っておくわけにはいかないだろう。
目次
第1章 正社員が消えた職場
第2章 「正社員」を支えてきたもの
第3章 社員なんだから―高拘束の独り歩き
第4章 正社員追い出しビジネスの拡大
第5章 「働き方改革」にひそむワナ
第6章 「正社員消滅」を乗り越えるために
いまや、日本で働く人の4割が非正規雇用―。契約やパートだけに責任を押し付けられる現場が増えている。どれだけ会社に貢献しても、時給換算では最低賃金なみ、ヘタすると雇用保険もない「名ばかり正社員」も問題だ。雇用流動化の政府方針に沿うように、正社員追い出しビジネスは絶好調。人生の安定を担保する「正社員」が危ない!
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