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本と音楽とねこと

中間層消滅

駒村康平,2015,中間層消滅,KADOKAWA.(8.15.2020)

 図表が数多く掲載されており、たいへんわかりやすい。
 年間可処分所得201万円が「中間層」とはさすがにいえないだろうと思うが、中間層が解体し、高所得層と低所得層に分解する社会にあって、生活困窮者が増加するのはもちろんのこと、少子化はとまることを知らず、耐久消費財の需要減により企業収益は減少し、減益分は雇用の劣化によって埋め合わされ、とめどなき「底辺への競争」が加速する。
 コロナ禍でグローバリズムの息の根は止められるだろうが、さらなる生活困窮者の増加に対し、産業の再編と社会保障の充実により対処しないことには、社会崩壊が加速していくだろう。

目次
序章 富の集中と再分配の歴史的背景
歴史的な転換期にある21世紀初頭
歴史は繰り返す―社会経済の変化と格差・貧困の拡大 ほか
第1章 グローバル化の光と影―所得格差
格差は努力か運か―赤ちゃん取り違え事件を考える
運悪く極限の状態で生活する子どもたち ほか
第2章 格差が社会にもたらすもの
トリクルダウンアプローチの神話
トリクルダウン政策は神話だった ほか
第3章 社会保障・税一体改革とは何だったのか
一体改革の目的は国の借金を増やさないため
社会保障・税一体改革の中身 ほか
第4章 社会保障の最後の「砦」は地域の力
制度の狭間の問題
2022年A県B市の未来予想図―広がる孤独死 ほか
対談 日本を左右するヤングシニア
生活保護受給者が集中する町の実態とは
行政ができること、できないこと ほか
終章 ポスト「社会保障・税一体改革」と持続可能な社会経済システムへの選択肢
ポスト社会保障・税一体改革を急げ
持続可能な社会経済システムへの選択肢)

年間可処分所得201万円~999万円。これが日本の中間所得層である。今、戦後の日本社会を支えてきたこの中間層が消滅の危機に陥っている。このままでは中間層は消滅し、戦前のような金持ちと貧乏人だけの社会になる。一億総中流といわれた日本の分厚い中間層を再構築するための処方箋を提言!

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