本と音楽とねこと

融通の利かない性格

 今日は、筑紫野市の某高齢者デイサービスセンターを、実習視察のため、訪問した。実習学生に、対人サービス労働が、自らの感情を抑制し、「いつも笑顔を絶やさず」利用者に接するなどという態度の偽装さえ必要とする難しさがある旨、助言がてら指摘した。なんのことはない、教育も対人サービス労働なのだから、感情統制と態度偽装のプロとして、わたしは失格である。わたしは、子どもの頃から目つきが悪く、それが、周りの人間には、攻撃的な感情の表現としてとらえられることも多かった。おまけに口ばかりが先に立ち、相手の感情を逆撫でするようなことを、平気に、というより意図的に言う。その相手が親や教師だとなおさらだ。わたしほど、逆上した親や教師から殴られ続けた人間も珍しいだろう。教員の端くれとしてはたらいている今も、そうした悪たれ小僧の性根は変わっていない。学生に対しても愛想が悪い。おまけに、根が真面目なものだから、とくに講義科目については、授業時間をいっぱいまで使って、わたしがこれくらいは理解しておくべきだと考える内容をぎちぎちに詰め込む。学生に、授業への要望を書かせたら、「少しは楽しそうにしゃべってください」とか、「早口で難しいことばかり言うのはやめてほしい」、さらには「チャイムが鳴る前に早めに授業を終了してほしい」等々、わたしの融通の利かない性格ゆえの不満が目白押しである。今回の授業評価も散々であった。だからといって、今さら、学生に愛想良くしたり、授業内容についてなあなあのところで妥協するつもりもない。現時点では、対人サービス労働には向いていないからといって、この歳で自ら辞表を提出する度胸もない。かくして悶々と悩む日々は続く。

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