本と音楽とねこと

社会学図鑑

クリストファー・ソープほか(沢田博訳),2018,『社会学大図鑑』三省堂.(3.13.2019)

 色鮮やかな図や写真、幾多の社会学者の名文句の引用が楽しい。
 デュボイスやバトラーら、日本の「社会学概論」にはまず登場しない人たちへの目配りをみるにつけ、いまだに、コント、ウェーバー、ジンメル、テンニース、デュルケム、パーソンズ、マートン、ルーマン、ハーバマスどまりではまずかろうとあらためて思った。
 社会学専攻課程では、初学者向きテキストとして役立つことだろう。かなりのボリュームだが、視覚的に楽しめる豪華本なので、途中で挫折することもないのではないか。価格が高いので、図書館に常備して読んでもらうのが良いだろう、



目次
社会学の成り立ち
この社会が不平等を生み出す
群れから村へ、そして都市のディストピアへ
グローバル化した世界に暮らすということ
文化と秩序と私たちのアイデンティティ
万国の労働者よ、さっさと消費に励め!
この社会の諸制度は有益なのか有害なのか
家族とは何か、性的なアイデンティティとは?

コントからマルクス、ウェーバーを経てフーコー、バトラーまで社会学の成り立ちを概観したうえで、社会の不平等、都市と共同体、グローバル化、文化、消費と労働、制度、家族、セクシュアリティなどのテーマについて、豊富な図解と引用を用いて詳説。初めて社会学を学ぶ人に最適の一冊。大学受験の評論や小論文対策にも。


クリス・ユール、クリストファー・ソープほか(田中真知訳),2018,『10代からの社会学図鑑』三省堂.(3.13.2019)

 こちらは、高校生および一般向けの社会学の入門書。
 『社会学大図鑑』と比べるとやはり中身が薄い。それと、用語解説にでたらめな箇所がいくつかあるので、訂正してほしい。
 まあ、でも、図書館においておけば、少しは学生の社会学への関心を喚起してくれるだろう。



目次
私ってだれ?
私のアイデンティティって何?
女の子、男の子 ほか
社会は存在するのか?
学校は何を教えるの?
制度って、いいものなの? ほか
なぜすべてが悪くなるのか?
なぜ人は罪を犯すのか?
人物紹介 エミール・デュルケーム ほか
どうして世界はこんなに不公平なのか?
スーパーリッチ
富と地位 ほか
現代の文化
我買う、ゆえに我あり?
文化とは何か? ほか

社会学の基礎を図解とイラストを豊富に用いてわかりやすく解説。アイデンティティの問題、社会制度、犯罪や貧困、グローバリズム、文化とメディアなど、身近で広範な話題をとりあげる。LGBTやフェミニズム、監視社会など、学校ではあまり扱われないテーマの解説も充実。読み物として楽しめる人物コラム付き。

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