死刑は、国家権力による殺人以外のなにものでもないことを、取材した刑務官の執行人としての苦悩から、説得力ある筆致で明らかにしている。江戸時代まで、死刑執行人が被差別民として扱われていたことについても触れておけば、死刑制度の理不尽さがもっと明瞭になっただろう。文庫版が品切れか絶版になっているようだが、未だ死刑制度が支持されているこの国で、ぜひとも読み継がれてほしい一冊だ。
目次
第1章 死刑執行に立ち会うのは誰か
第2章 東京拘置所ゼロ番区
第3章 陸奥の刑場
第4章 力ずくの処刑
第5章 死刑囚とのきずな
第6章 法の無情
第7章 言い渡しをする立場
第8章 執行人家族の涙
第9章 連載は終わったものの
「なぜ殺さなければならないのか」…。執行という名の下に、首にロープをかけ、レバーを引く刑務官と、ゼロ番区と呼ばれる舎房でその日を待つ死刑囚。徹底した取材を基に、あらためて死刑制度を問う衝撃のドキュメント。
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