本書は、2006年の介護保険法改正のポイントを解説し、ケアワーカーの不足やニーズに合致していない介護予防サービス等の問題点について、現場から官僚、政治家まで幅広い関係者への聴き取りをまじえて論じたものであるが、介護保険制度の問題点がなんら解消されずに現在に至っている事実にあらためて驚く。
否、問題はより深刻化しており、とくに、ケアワーカーの不足は、地域によっては、「制度あってサービスなし」のレベルにまで達している。
現在においてもなお通用する内容であることが、高齢者福祉の危機的状況を物語っている。
二〇〇〇年に発足した介護保険。今、現場からは「「介護予防」とは?」「サービスを充分受けられない」「地域格差が拡大している」「介護士では生活できない」といった戸惑いの声が挙がっている。サービス利用者、その家族、介護従事者、行政担当者、政治家等、多数の関係者へのインタビューをもとに、早急に求められる処方箋を考察する。
目次
第1章 介護サービスが必要となったら
第2章 現場と政策とのあいだ
第3章 介護予防システム―その仕組みと有効性
第4章 介護保険の原点は何か
第5章 介護労働者から見る現場
第6章 障害者福祉における介護
終章 現場へ歩み寄るための道筋
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