コロナ禍によりいっそう鮮明になった日本の社会保障の危機的状況を論じる。
医療、公衆衛生、介護保険、保育、雇用、生活保護、以上各々の現状と問題点、政策提言が展開されており、税と社会保険制度の改革案と併せて、わたしとほぼ同意見である。
177頁のわかりやすいグラフが示しているとおり、ここ33年間の日本の税収はほとんど変わっておらず、所得税と法人税の減収を、逆進性の強い消費税が代替してきた。要は、富裕層と大企業が税制上、優遇され、中・低所得層の生活が犠牲にされてきたということだ。こうした富の再分配がおろそかにされる一方で、社会保障の削減が進められてきたのだから、中・低所得層はたまったものではない。この期におよんで自公政権を支持するのは、愚の骨頂と言わざるをえないだろう。
コロナ危機によって明らかになった社会保障の制度的脆弱さ、政府の新型コロナへの危機対応とその限界を読み解き、財源問題も含め、コロナ後の社会保障の政策課題と社会保障充実の道筋を示す。
目次
序章 コロナ危機による社会保障の機能不全、そして生存危機
第1章 医療・公衆衛生の法と政策の課題
第2章 介護保険法と介護政策の課題
第3章 保育の法と政策の課題
第4章 雇用保障の法と雇用政策の課題
第5章 生活保護・年金の法と政策の課題
第6章 社会保障財政の法と政策の課題
終章 岐路に立つ日本の社会保障―課題と展望
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