問題意識は良いのだが、考察が深められないまま次の話題に移ってしまい、結局なにをいいたいのか不明瞭で、残念な本である。
個人情報をよろこんでSNSに提供する人々、そしてそれを逐一監視する人々。両者は、しばしば重なり合う。
「露出狂」と「窃視狂」。ネット依存の人々を指す言葉として、これほど適切なものはないだろう。そして、人々の心理の根底には、制御不能なまでに肥大化した自己愛と不安とがある。「自粛警察」、「思想警察」、「言論警察」等の横行には戦慄するが、不安、猜疑心というものは、ときとして、自制が効かないほど暴走する。
目次
「監視文化」の形成
第1部 文脈における文化
文化の坩堝
第2部 文化の潮流
利便性から服従へ
物珍しいものが当たり前に
オンラインからオンライフへ
第3部 共創―文化、倫理、政治
完全な透明性
隠れた希望
なぜ私たちは権力による監視には抵抗しつつも、自らの個人情報を進んでアップし続けるのか?SNSやビッグデータによる「透明化」が私たちにもたらすものとは何か。監視論の権威による、オンライン時代の監視文化論。
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