ジェレミー・リフキンの重厚な新産業社会論、『限界費用ゼロ社会』を読んだあとでは、さすがに物足りなさを感じるが、製造業分野における第4次産業革命の内実をざっくり把握する入門書としては悪くないのかもしれない。
やはり、第4次産業革命は、製造業分野におけるインパクトだけでなく、エネルギー、ロジスティックス、働き方の変革と富の分配のあり方、コモンズあるいは社会共通資本(コモングッズ)、社会関係資本(ソーシャルキャピタル)等々、併せて考察していかないと、この「革命」の意味内容は把握できないだろう。本書を踏み台に、『限界費用ゼロ社会』を読みすすめたいところだ。
目次
第1章 7つのポイントですぐわかる! 「インダストリー4.0」とは何か?
1.世界で広がる「インダストリー4.0」の大潮流:ドイツ“第4の産業革命"とアメリカ“インダスリアル・インターネット"の衝撃
2.第1~第3の産業革命がインダストリー4.0の下地を作った
3.インダストリー4.0が目指す「スマート工場」とは?
4.IoTと人工知能、インダストリー4.0の関係
5.ビジネスモデルがこう変わる! :ポイントは“オーダーメイド"と“アフターサービス"
6.ロボットにとって代わられる! ?ものづくり業界の雇用の行方
7.未来の工場は地球に優しい
第2章 「インダストリー4.0」の衝撃:ドイツが取り組む「巨大国家プロジェクト」の全容を明らかに!
・原動力になったのはグーグルやアップル、ITの巨人たちへの危機感
・日本が知らないスーパー・イノベーター集団:ドイツの秘密・フラウンホーファー研究所
・究極のゴール、「国中の工場を連結させよ! 」:バリューチェーンの水平連結
第3章 「インダストリー4・0」で暮らしはどう変わるのか?:日本社会に新しい時代到来。私たちの生活はこんなに変わる!
・英語が苦手な日本人のピンチ! ?:海外とのコミュニケーションはどうなるか
・生活にかかるお金はインダストリー4・0でどう変わるのか?
・インダストリー4・0の時代の教育とは?
第4章 「インダストリアル・インターネット」の衝撃:アメリカが取り組む第4次産業革命の第2ラウンド!
・AIの巨人・IBMの戦略とは?
・グーグル「スマートカー」の衝撃:自動車メーカーへの挑戦状
・製造業の巨人・GEの戦略とは?:覇権の鍵はソフトウェアが握る
第5章 アジアの動向:日本以外のアジア諸国も動いている!
・のどから手がでるほど新技術が欲しい中国:高齢化社会に備えよ! 「世界の工場」の未来
・「ドイツもうで」をする台湾、韓国の企業:新時代のコスト削減を狙う
・インドを世界のソフトウェア工場へ:脱・アウトソース先、目指すは「メイド・イン・インド」
第6章 日本の「ものづくり」が進むべき道:インダストリー4・0で企業も社会も変わる!
・日本の中小企業が変わる! 地方創生にもビッグチャンス
・少子高齢化社会への処方箋、女性の活躍の起爆剤
・日本が「ものづくり」のリーダーになるには?
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