多元的福祉、福祉ミックスの進展による福祉社会構築について、ヨーロッパ、とくにスウェーデンの協同組合、社会的企業を中心に分析、展望する。スウェーデンの民間保育所について、児童の親による協同組合、労働者協同組合、ボランタリー組織に類型化し、各々における職員と、児童の親たちの意識を探った調査の知見がなかなか興味深かった。
結論としては、少なくともスウェーデンにおいて、協同組合と社会的企業による福祉の民営化は良好な結果を生んでいるとのことであるが、鍵となるのは、働く者とサービス受給者双方が事業参画により市民民主主義を確立できるかどうかにある。
目次
社会的企業と市民民主主義
第1部 理論的考察
市民社会、第三セクター、そして福祉ミックス
市民民主主義の社会サービス
市民民主主義の経済的側面 ほか
第2部 経験的考察
スウェーデンにおける社会的企業と労働環境
スウェーデンにおける女性の労働環境の改善
共同生産者としての市民のエンパワーメント)
第3部 結論
新千年紀の展望
本書の焦点は、新千年紀にスウェーデンやヨーロッパが直面する福祉国家の大きな課題の解決に、社会的企業や第三セクターが貢献できる方法について究明し、実証し、検討することである。また、社会的企業が福祉国家を福祉社会へ転換することにどのように貢献するかについても検討する。
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