「勤労国家」として、企業福祉に過度に依存するいびつなしくみをつくりあげ、そこからこぼれ落ちる人々が増えていくと、その者どもは、「既得権」を得て自分より得している者がいないか、ぎょろ目で探しまわり、公務員、生活保護受給者、年金生活者等をバッシングし、底なしの「底辺への競争」にひきずりこもうとする。
「租税抵抗」と「財政緊縮」の負の連鎖のなかで、不信、幼稚な義憤にまみれる愚民の社会。これが現代日本の自画像だ。
残念ながら、いたく初歩的なまちがいがあるので指摘しておきたい。エミール・デュルケムは、前近代社会の人と人とのつながりあいを「機械的連帯」、近代社会のそれを「有機的連帯」として位置づけたが、本書では意味が逆になっている。(p.234)わたしも、学部学生時代は、勘違いしそうになったが、せっかく説得力ある議論を展開できているわけだから、こうしたつまらないミスは避けてもらいたかった。
誰かが得をしている?
相互不信が渦巻くこの社会で、私たちはズタズタに分断されている。
世代間、地域間、性別間、所得階層間それぞれの対立が深刻化し、
バラバラな存在へと追いやられているのだ。
なぜか? どうすればいいのか?
分断社会を終わらせるべく、すべての人の基礎的ニーズを満たすという「必要原理」に基づく財政戦略を提唱。
来るべき未来を構想する、希望の書!
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