代理出産を依頼した夫婦、代理出産を請け負った女性、そして代理母ビジネスを展開する業者に、代理母ビジネスを禁止するよう州政府にはたらきかける者。本書は、代理母問題にかかわるこれら当事者に、インタビューを積み重ねた大野さんの執念が実った快作だ。ベビーM(Mは代理懐胎依頼者夫婦がつけた名前であるMelissaのM)事件の顛末についても詳しく解説されている。
抜群におもしろい内容であり、売春、買春問題等にも応用できる倫理が学べるので、おすすめしたい。電子書籍でも読める。
不妊に悩む夫婦にとって「福音」といわれる生殖補助医療、代理出産。しかし、代理母の精神的・肉体的負担、貧困層のブリーダー階級化、親子関係の定義づけの難しさなど、現実はシビアな問題が山積みだ。日本でも法整備を進める動きがあるが、代理出産をめぐる議論はまだまだ不十分。このテーマを長年、追いかけてきた著者が複雑な代理出産の問題の核心に迫る。
目次
プロローグ 「代理出産」問題とは何か
第1章 混乱をきわめた人工授精型の時代
第2章 体外受精型代理出産の幕開け
第3章 代理母が引き受ける大きすぎる代償
第4章 代理出産で生まれた子どもたちの葛藤
第5章 各国の代理出産事情
第6章 生命操作はどこまで許されるのか
エピローグ―マーケル家からの伝言
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事