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本と音楽とねこと

パパ活女子

中村淳彦,2021,パパ活女子,幻冬舎.(3.3.24)

(著作権者、および版元の方々へ・・・たいへん有意義な作品をお届けいただき、深くお礼を申し上げます。本ブログでは、とくに印象深かった箇所を引用していますが、これを読んだ方が、それをとおして、このすばらしい内容の本を買って読んでくれるであろうこと、そのことを確信しています。)

 いやあ、中村さん、スゴいや、、、

 めちゃめちゃおもしろかったし、自らの思考を深めることができた。

 女子大学生を中心に、パパ活が大はやり、だ。

 カネのために、自らの尊厳をかなぐり捨てる女たちを前にして、あなたは、なにを思うのだろうか?

 未曽有の感染症は女性や若者たちの生活を直撃し、仕事を失って困窮したり、時間を特て余す者が激増した。必然の結果として若い女性たちのパパ活参入に拍車がかかった。それまで経済的に困った女性の受け皿は、繁華街のガールズバー、キャバクラ、性風俗店といった夜職だったが、繁華街も感染症の大打撃を受けている。いくつかの要因が重なったことで、若い女性たちが濁流のようにパパ活になだれ込んだ。
 昭和からずっと続く男女格差、そして平成からはじまった世代格差、収入格差によって、どこからも利益を得る側に立てなかった若い女性たちの意識や行動様式は大きく変化している。
 結婚や出産は贅沢品であり、良妻賢母など夢のまた夢という社会で、高額な学費の納入や奨学金の返済に追われれば、意識が変わらないほうがおかしい。まず大前提として、若い女性たちの経済的に厳しい状況が「パパ活はみんなやっている!」という現状に繋がっている。
 パパ活女子だらけのいまの状況は、伝統的に続く男性優位と高齢者優遇の社会のなかで、社会的強者である男性中高年の勝ち組に、弱者である若い女性がたかっている、と見えなくもない。類似した現象として戦後混乱期のパンパン、社会保障が行き渡っていなかった時代の物乞いなどを連想した。これが、格差が広がり続ける衰退国家の一つの姿なのだ。
(pp.6-7.)

 うん、パパ活女は、パンパンであり、物乞いだ、そのことにまちがいはない。

「パパ活なんて自分を傷つけるような、そんな悲しいことをしないでほしい」
 パパ活という言葉が世代を超えて広がったことで、このような意見をよく耳にする。筆者は頻繁にSNSにパパ活女子のことを投稿するが、批判的にコメントをしてくる方々の意見がどうも少しズレているのだ。
 パパ活女子とは、おもにミレニアル世代とZ世代の若者たちだ。彼女たちは自分を傷つけているわけでも、倫理観が薄いわけでもなく、もっと生活に近いところでパパ活をしている。
 たんなる日常の一部の行動を、上から目線で説教してきたり、そんな悲しいことをしないでほしいと嘆いたりするのは、おもに男性、中高年、高齢者の人たちだ。彼らは昭和時代からずっと続く男女格差、平成以降の新自由主義政策によって生まれた世代格差、経済格差で恩恵を受けている人たちである。
 彼らのコメントからは、自分たちの時代にはそんなふしだらなことはなかった、そんな恥ずかしいことはしなかった、というニュアンスを感じる。総じてパパ活女子に対して否定的な意見であり、「援助交際=売春=パパ活」と解釈しているのがその理由であろう。
 もはや若い女性のなかでパパ活は普通のことである。国家が衰退し、格差が蔓延する現在に生きるパパ活女子と、右肩上がりの高度成長を経験した上の世代とでは、意識も感覚もなにもかもが違っている。年功序列を信じる昔の人間が、上から目線で悲観しながらアドバイスしても、いまを生きる若者たちに役立つことなどほとんどないだろう。
(pp.16-17.)

 出た~!「説教するおやじ」!
「自分を傷つけるような、そんな悲しいことをしないでほしい」
 いやいやいや、パパ活女は、そもそも、最低限の尊厳さえ、奪われているか、欠落してるのじゃないのかな。

「いまの金額はお茶1、食事2、大人4以上かな。価格は他の人たちの金額とか、交際クラブ時代の値段を参考にして割りだしたの。交際クラブはセッティング料がかかる。それに入会金とか払っているし、その人が1か月だけ交際クラブに登録しようってとき、その人は払う金額が10万円を超えちゃう。4だと交際クラブへの支払いも含めて10万円、ちょうどいいかなって。だから、本当は大人っていいたいけど、4にしている」
(ユリアさん、p.38.)

 は?
 お茶して1万円、食事して2万円、セックスして4万円、払うの?

 バカじゃないの?

 カネ積んで、いい女と、恋愛しようなんざ、手前勝手で、迷惑でしかない。

「食品会社の社長さんで、中華屋さんでご飯を食べました。新橋だったけど、クラブかはフィーリングが合えば、その先もどうぞって。その男性は正直会った瞬間に、ないなって思いました。おじさんすぎるんです。ご飯を食べながら私の写真やプロフィール動画の感想とか、そんな話をして、話をしながらも触れられたくない感じというか、やっぱりないかなって。パーソナルスペースってあるじゃないですか。中華だったので大きいテーブルで離れてたからご飯は全然よかったけど、その先はちょっとありえないなって、そんなことばかり思ってました」
(真奈さん、p.103.)

 しかし、パパ活初心者の真奈さんは、なにがなんでもセックスしようとするハゲおやじの誘いを、断り切れなかった。

 中年男性は手を挙げて意気揚々とタクシーを拾った。男性は機嫌がよかったが、真奈さんの心は暗かった。そのまま銀座のシティホテルに移動し、部屋に入ってすぐにシャワーを浴びた。仕方ない、もうやるしかないと思いながらバスローブを着た。
「キスされてはじまっちゃったら、もう演じるしかないです。嫌だけど、ホテルまで行って嫌だっていえないし、態度にだせないじゃないですか。そうなっちゃったら早く終わりたいから、とりあえず、早く、早くみたいな。そのときに生まれて初めておじさんとしました。パパ活は、その最初が一番嫌でした。男性が同じ年齢とかだったら、気持ち悪いとかはないけど、おじさんは気持ち悪い。おじさんでも若々しければいいけど、普通のおじさんだとちょっと拒否感はでます」
 興奮している男性にキスから全身を舐められ、クンニされた。目をあけると、股間に薄い頭皮に脂っぽい髪の毛がのっている頭が挟まっていた。パパ活をするなら、好感がもてる男性をちゃんと選ばないとダメだと、その瞬間に心から思った。そして、帰るときに男性から3万円を渡された。
(同上、pp.104-105.)

 ゲロゲロ、、、、これは、きっつい、、、
 まじ、吐きそうになった、、、、

「大人をするなら3は欲しいなと思ったのは、男性から聞いて性風俗の値段が2万円くらいって知ったからです。風俗は60分とか30分で2万円となると、こっちとしては食事を含めると4時間くらい時間を割くので最低3万円だろうって計算。2万円っていわれると、あなたにとって私はそういうレベルなのね、みたいなことを感じちゃう。逆に年収が600万円くらいの人から5っていわれたことがあって、そのときははじめたばかりだったので自分から3に下げちゃいました。年収が高くない人から5万円もらうことに躊躇したというか、自分がその価値を相手に与えることができるか不安だったので」
(真奈さん、pp.108-109.)

「その人は、彼氏とは全然違います。え、なんだろう。恋愛感情はまったくないです。相談係、相談おじさんです。お金くれるからありがたいけど、好きになる要素がない。嫌悪感は抱かないけど、触れてほしくないです。好意も抱いてないです。いい人だなってだけ。おじさんと恋愛なんて、ありえないし、聞いたことないですよ。そんな気持ち悪いことは絶対にありえません。おじさんは金融関係で借金の法律とかに詳しいし、相談するいい人が見つかって、よかったなって」
(彩花さん、p.132-133.)

「その人は普通に清潔感があって、全然見た目は気持ち悪いとかそういう感じじゃなくて、既婚で子どもはいないっていっていました。最初から大人は考えてないって伝えていた。でも、誘ってきた。仕事ができて暇を持て余して、キャバクラ感覚じゃないですか。いわれたのは、帰り際でした。次は・・・・・・ホテル行こうね、みたいな。もう無理と思ったので、それでブロックして関係を切りました」
(中略)
「単純に気持ち悪いからです!そもそもそんな年下に手をだす行為が社会的によくないでしょう。私のほうが25歳下だし、なんなら60代の方は父親より上。30代の人も最終的に肉体関係をいってきたので、さよならしました」
(優菜さん、p.139.)

「嫌いな中年男性にお金をもらって肉体関係になるのは、人間としてダメなんじゃないかと思います。最初は嫌でも、一度やったら大丈夫ってなりそうでこわい。一度で5万円とかもらったら、働かなくていい金額になっちゃうじゃないですか。あと中年男性とのセックスが想像ができないというか、想像したくない。気持ち悪い。顔が近づくだけで気持ち悪い。本当に好きな人かカッコいい人としかやりたくないし、40代は本能的にダメです。言葉に表せないけど、細胞が否定しているみたいな」
いま付き合っている3歳上の恋人は高学歴、一途、高身長、マッチョ、一重、歯並びが綺麗らしい。
(同上、p.144.)

「何人もいるとは誰も知らないし、あなたしかいない、どちらかといえば好きという態をだして、向こうがグイグイきたら、こっちは引く。君も僕のことを好きなんだね、じゃあ、お金必要ないよねみたいなことになっちゃう。そうなると厳しいので、そこまで勘違いさせないように調整する。最終的に絶対にホテルに行きたいって人もいるから、それはそこで切ります。これだけ時間かけたのに、これだけお金をあげたのに、全部返せってなる人もいるし、切るタイミングは重要です」
(萌香さん、p.149.)

「パパ活で肉体関係になるって想像したけど、無理です。どうしてもできないと思って、それはしてません。やっぱり、元々カッコいい人が好きだし、細い人が好きなので、おじさんは無理です。おじさんはプロフィールには清潔です、とか書いているけど、ほとんどちょっと小太りで清潔感は感じられない。服が汚いとか、ダサすぎるとか、肌も汚いし」
(綾乃さん、p.165)

無理

  
 え?それでも、若いいい女と恋愛したい?
 どこまで、図々しいの?

「最初にパパ活したとき、お金をどんどんとっちゃって相手がかわいそうだなとか、同情もあったけど、よくよく考えてみれば自己責任じゃないですか。私が40歳とか50歳のババアで若い男の子と会いたいってなったら、男の子にとってはお金以外にメリットはないでしょ。だから若い子と話したいんだったら、お金あげるべきだし、お金をあげたくないならパパ活をしなきゃいいだけ。だから、かわいそうと思わなくなりました。このおじさんも人間なのにな、みたいな。お金だけとられて、付き合いたいとか夢見て、本当に悲惨みたいな」
(萌香さん、p.152.)
「パパ活はおかしいですね。おじさんがおかしい。私だったら、絶対に叶わない夢を見て、お金をとられ続けるおじさんみたいな人生は絶対に嫌です」
(同上、p.154.)

 ここまで言われて、恥ずかしくないの?

 しかし、身の丈に合わない恋愛幻想をもたず、恋愛ごっこを、それはそれとして楽しんでいる、クレバーなパパ活男もいる。

 56歳の起業家、本橋さんだ。
 年収3,000万円を元手に、若い女を食いまくる。

 本橋さんは年齢差のあるパパ活女子と対等な恋愛ができるとは思っていなかった。だから、その場だけを楽しむ疑似恋愛なのだ。
「女の子の本心はお金目当てであっても、それを感じさせないので、その場で好きっていってくれたらいいだけ。だから仲良くなった子には、他のパパと会ったとしてもいわないでくれって頼んでます。他のパパの話は禁止、自分といる時間だけは楽しませてって」
 恋愛と疑似恋愛の違いは、相手をひとりに絞らない、その場を楽しむだけでお互いに束縛されないということだ。現在進行形で20人近くのパパ活女子と繋がっている。そのなかでもっとも気にいっているのは、23歳の社会人1年目の女の子だ。彼女は東京の一流私大を卒業したばかり。大手企業に総合職として入社している。キャリアウーマン候補だ。
 「頭もいいし、旅行にも行ってくれるし、楽しい。同じ年齢の彼氏がいて同棲しているんですよ。その子は彼氏と一緒に住んでいるのにパパ活している。パパ活で思うのは、女の子は年上と付き合ってお金をもらいながら人生経験を深めている。みんな精神年齢が高い。僕が疑似恋愛を求めていることもわかっている。食事もプレゼントも抵抗なく買えるものをいってくるし、お金にもうるさくない」
(中略)
「いま以上の関係にはなりようがない。僕自身も、相手も、その先をまったく望んでいないし。男は勘違いする奴はいっぱいいる。独占したいとか、ガチ恋愛とか」
(pp.92-97.)

 でもなあ・・・本橋さんは、相手の内面に踏み込むのを避けているようだけど、そんなんで満足できるのかなあ、という素朴な疑問がある。

 もう一つ、本橋さんは、配偶者とはカネで繋がってるだけみたいだけど、そもそも、その程度の女と結婚するなんて、また、いい関係をつくることができなかったのって、ちゃんと恋愛、つーか、人生を生きていなかったからなんじゃない?つか、相手の女、かわいそくね?失礼じゃね?
 
 国の経済成長が止まり、衰退してもいいことはなにもない。男性の貧困は犯罪、女性の貧困は売春に直結する。国が起こした無謀な戦争によって一家の大黒柱を失った未亡人は、唯一もっている女を武器にして性をアメリカ兵に売り、新自由主義路線を進む国の受益者負担の方針によって、経済的弱者に固定された令和の女子大生たちは、強者のおじさんに性を売っている。
 親や親戚だけでなく、都道府県や自治体が長い時間を費やして大切に育んだ女子生徒が、大学生になった途端にホステスや風俗嬢、売春婦、パパ活女子になる。
 性格、偏差値、金銭感覚、恋愛観など、個人の特性は一切関係なく、その最終手段を選択しているのだ。仮に文部科学省が、現役女子大生に夜職や売春的な行為、パパ活経験者の実態調査をし、現実に即した正しい回答を得ることができれば、信じられない結果となるはずだ。
(pp.156-157.)

 女子学生たちが続々と参入するパパ活は、お父さんが娘の世代に恋愛を求めて肉体関係となったらお手当をあげる、という市場だ。一歩引いて少しマクロな視点で眺めると、日本はものすごく異常なことになっている。
 日本は娘や孫に売春やパパ活をさせる、これは普通ではない事態だ。そして祖父世代はブルセラ少女を買い漁り、父親世代はパパ活女子とセックスを含めた交際をして喜んでいる。どうしてこんなことが起こるのか考えると、国民に指針を与える国が、娘や孫の売春やパパ活を推奨している可能性に思い当たる。売春は違法なので望ましくないが、富の再分配がされるパパ活はポジティブに考えているとしか思えないのだ。
 2020年9月16日に自由民主党の菅義偉氏が「自助・共助・公助、そして絆」と国民へのメッセージを掲げた。そして、第9代内閣総理大臣に指名された。メッセージの内容は、まず自分でやり、できなかったら家族や地域が助け合って支えよう。本当の最後の最後にできなかったら、国がセーフティネットで守るという社会像だ。このまず自分でやる「自助」が具体的な現象となったのがパパ活だ。
 多くの若者たちは高額な学費によって、売春やパパ活をせざるをえない状況に追い込まれている。学費が高騰した理由は、そもそも国が高等教育の公財政支援を減らしたからだ。公財政支援を減らした代わりに本人や家庭が負担することになった。収入が下がるなかで学費がどんどん上昇し、親は負担しきれなくなり、多くの若者たちは国が勧める大学奨学金の借金を背負った。そして、女子学生たちは最終手段として望まない夜職や売春、パパ活をせざるをえなくなっている。
 女子学生たちは勉強するために、国が遠まわしに推奨する自助(パパ活)を頑張っている。本当は将来の結婚相手と楽しい恋愛をしたいが、欲望に飢えた中年男性の恋愛対象となり、望まない性的関係を結ぶ。男性優位社会で優遇される中年男性の恋人や愛人、セックスフレンドになれば、勉強する権利を与えてあげよう──どうも、そんなことになっているのだ。
(pp.159-161.)

 女性に値付けして、本来は買えないはずの感情を買おうとするパパ活から見えてくるのは、病んでいる日本である。どうしてこうなるのかと溜息がでるほど病んでいる。
 いま女性たちを買っているのは40代後半(団塊ジュニア世代)が中心だ。彼らの父親世代はかつての援助交際で未成年や後進国の若い女性たちを国際社会に厳重注意されるまで買い漁った過去がある。
 尾崎豊を聴きながら、大人たちに反抗していた息子は30年後、父親とまったく同じことをしていた。女性も同じだ。パパ活男性たちからモテ、チヤホヤされ、好き放題にお金を支払わせても、十数年後は誰からも見放されることになる。病んでいる日本では、同じことが繰り返される。荒れた社会が欲望の反復と排斥に拍車をかけていた。
(pp.218-219.)

 ここいらへんは、中村さんの真骨頂、本書、いちばんの読みどころ、だな。

 こころから同感するよ。

 そして、こういう事態になっていることに、すさまじいほどの怒りを感じている。

 ま、怒ってばかりいても、しようがないから、できることを淡々と実行していくだけ、だけどね。

 学費の高騰によって学生が経済的に苦境に陥るのは、日本だけではない。
 アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、また韓国などでも深刻な問題になっており、それらの国でもパパ活に類似したシュガーベイビーという現象が起こっている。アメリカやカナダでは大学生のシュガーベイビーがマッチングサイトで経済的に余裕がある年上のシュガーダディ、シュガーママを探し、経済的支援をしてもらうという現象が起こっている。シュガーベイビーがシュガーダディ、シュガーママと肉体関係になるかはそれぞれの関係性次第というのも、パパ活とまったく同じだ。
 シュガーベイビー現象が起こるアメリカ、カナダは、日本と同じく高等教育への公財政支援は低く抑えられている。私費負担を増加する政策のために学費は高騰し、とても家庭では払いきれないので経済的に豊かな人たちに支援をしてもらう、悪い言い方をすればたかる。パパ活男性と同じく、アメリカやカナダのシュガーダディもシュガーママも若者たちに肉体関係を求めるだろう。緊縮財政をする国に生まれた子どもたちは、お金をもつ中年男性、中年女性に肉体を捧げて大学に通うのだ。
(pp.190-191.)

 社会学や社会福祉学は、グローバルに展開する、ネオリベ、緊縮財政と、女性の商品化、奴隷化、セックスワークの問題等について、もっと真剣に研究に取り組むべきだな。

「パパ活」とは、女性がデートの見返りにお金を援助してくれる男性を探すこと。主な出会いの場は、会員男性へ女性を紹介する交際クラブか、男女双方が直接連絡をとりあうオンラインアプリ。いずれもマッチングした男女は、まず金額、会う頻度などの条件を決め、関係を築いていく。利用者は、お金が目的の若い女性と、疑似恋愛を求める社会的地位の高い中年男性だ。ここにコロナ禍で困窮した女性たちが一気になだれ込んできた。パパ活は、セーフティネットからこぼれ落ちた女性たちの必死の自助の場なのだ。拡大する格差に劣化する性愛、日本のいびつな現実を異能のルポライターが活写する。

目次
第1章 女子たちが没頭する「パパ活」とはなにか?(日常の延長としてのパパ活;(1)パパ活と援助交際の違い。パパ活は売春なのか? ほか)
第2章 パパ活の模範として機能する「交際クラブ」(「パパ活」という言葉をつくった交際クラブの目的;パパ活市場は女性同士の競争が激しい ほか)
第3章 パパ活男性をウンザリさせる「茶飯女子」(セックスを一切拒否するパパ活女子;方言で男性をかわす20歳のパパ活女子 ほか)
第4章 パパ活サイトの女性会員は31パーセントが「女子学生」(戦後の戦争未亡人のような女子大生;パパ活という「自助」 ほか)
第5章 日本社会からこぼれ落ちる「中年パパ活女子」(若い女性好きの男性の価値観がはびこるパパ活市場;中年パパ活女子たちの証言 ほか)


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