【モスクワ=古本朗】個人崇拝に基づく独裁政治で知られる中央アジア・トルクメニスタンのニヤゾフ大統領がこのほど、高齢者らの年金を全額停止、あるいは大幅減額する過酷な法令を布告した。
紙「ブレミャ・ノボスチェイ」は、「ニヤゾフ体制以前の社会を知る高齢者の集団排除を目指す措置」とするドイツの中央アジア専門家の分析を紹介した。
露ニュースサイト「NEWSru・com」によると、新法令で、これまで月額10~90ドルの年金を支給されていた年金生活者計33万6000人のうち、10万人以上が全額支給停止、20万人以上が大幅減額の憂き目にあう。身体障害を持つ人々への年金も廃止される。
その上、政権は、「旧ソ連時代以来、国家は年金を支払い過ぎて来た」との論拠で、高齢者たちに指定額の“返済”まで義務づけた。ブレミャ・ノボスチェイ紙によると、年金を受け取りに訪れた銀行などで支給停止を知り、ショックから心臓発作を起こし死亡する高齢者が相次いだ、という。
(2006年2月7日23時26分 読売新聞)
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