残念ながら、「あたりまえをくつがえす」というコピーにはそぐわない内容だ。一部を除いて、凡庸な内容の論考がだらだら続く。ジェンダー・スタディーズの研究水準は向上している。編著者たちは、初学者にも受け入れやすい構成を工夫したようだが、読んでもあまり発見がないよう内容では、それも無意味だろう。
目次
0 社会学とジェンダー論の視点(伊藤公雄)
1 育つ――子どもの社会化とジェンダー(藤田由美子)
2 学ぶ――教育のプロセスにおける性差別を考える(木村涼子)
3 語る――ことばが開く新しい社会(中村桃子)
4 愛する――恋愛を〈救う〉ために(牟田和恵)
5 シューカツする――新しい働き方を考える(阿部真大)
6 働く――労働におけるジェンダー格差(大槻奈巳)
7 家族する――現実が変える「家族」(藤田嘉代子)
8 シェアする――共同生活とジェンダー役割(久保田裕之)
9 遊ぶ――男らしさの快楽とそのゆくえ(辻 泉)
10 悩む――移りゆくジェンダー観のはざまで(小柳しげ子)
11 装う――ファッションと社会(谷本奈穂)
12 つながる――友人関係とジェンダー(辻 大介)
13 闘う――戦争・軍隊とフェミニズム(佐藤文香)
14 移動する――グローバリゼーションがもたらす新しい世界(上野加代子)
15 ケアする――ケアはジェンダーから自由になれるか(斎藤真緒)
男/女の二色刷から、個性の光る多色刷の社会へ。「育つ」から「シューカツする」、そして「ケアする」までの身近なできごとをジェンダーの視点から見なおし、「あたりまえ」をくつがえす。
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