本と音楽とねこと

基地外の血統

 買い物から帰宅すると、拙宅の前の道路に、入れ墨彫り師の客のものと思われるクルマが駐車していた。何度も切り返さないと車庫入れができず、困った。十秒間くらい、大音量のプログレホーンを鳴らし続けたが、入れ墨屋は出てこない。金属バットを持って殴り込みに行こうと一瞬思ったが、傷害事件の現行犯で逮捕されて失職したら元も子もないので、やめておいた。
 わたしの父方の親族には短気で短命の者が多い。わたしの父親も、よくぞこれまで傷害事件を起こさなかったなと思うほどの、短気にして凶暴な基地外である。父方の祖父は、わたしが生まれる前にすでに亡くなっていたが、写真を見ると、これまた怖そうな男だ。軍人だったそうなので、おそらく戦時中は中国大陸で多数の中国人を殺戮したのだろう。
 わたしにも、父方の基地外の血統が息づいている。子どもやお年寄り、女性には暴力をふるったことはないが、大学生のころまで、自分より腕力の強そうな野郎とは何度も殴り合いのけんかをしたものだ。その後、自らの内なる暴力性と狂気を嫌悪し、内からわき起こる衝動をなんとか抑制してきたが、衝動そのものを消し去ることはいまだにできそうもない。

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