環境破壊・環境汚染、資源枯渇、気候変動、紛争等々、古代から近現代まで、世界の名だたる文明、その崩壊の要因を論究する。なぜ、どのように滅びたのか、その過程を推理していく論述は、推理小説なみにおもしろい。
それにしても、このボリュームはすごい。書きあげるのも壮絶だが、読む方もけっこう忍耐が必要だ。
文明崩壊の真っただ中にあって、興趣が尽きない内容だ。
(上)
目次
プロローグ ふたつの農場の物語
第1部 現代のモンタナ
モンタナの大空の下
第2部 過去の社会
イースターに黄昏が訪れるとき
最後に生き残った人々―ピトケアン島とヘンダーソン島
古の人々―アナサジ族とその隣人たち
マヤの崩壊
ヴァイキングの序曲と遁走曲
中米のマヤ、北米のアナサジ、東ポリネシアのイースター島、グリーンランドのノルウェー人入植地、かつて隆盛を極めていた社会はなぜ崩壊し消滅してしまったのか。数々の文明崩壊の実例を検証し、共通するパターンを導き出していく。歴史上から消滅した社会が陥った恐るべき共通の崩壊要因とは?人類の謎といわれた古代、中世社会が辿った滅亡への道を解明する。ピュリッツァー賞受賞の著者による全米ベストセラー。
(下)
目次
第2部 過去の社会(承前)
存続への二本の道筋
第3部 現代の社会
アフリカの人口危機―ルワンダの大量虐殺
ひとつの島、ふたつの国民、ふたつの歴史―ドミニカ共和国とハイチ
揺れ動く巨人、中国
搾取されるオーストラリア
第4部 将来に向けて
社会が破壊的な決断を下すのはなぜか?
大企業と環境―異なる条件、異なる結末
世界はひとつの干拓地
追記 アンコールの興亡
人類の歴史には、転げ落ちるように崩壊した社会がある一方、危機に適確に対処し、乗り越えた社会もある。問題解決に成功した社会例として、徳川幕府の育林政策で森林再生を果たした江戸時代の日本、過酷な人口制限で社会のバランスを保つティコピア島等を検証する。さらに現代の危機として、中国やオーストラリアの惨状を分析し、崩壊を免れる道をさぐる。資源、環境、人口、経済格差など複雑化する崩壊の因子を探り、現代人の目指すべき方向を呈示する。
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