帚木蓬生,2025,ギャンブル脳,新潮社.(2.10.25)
「次こそ当たる!一発逆転!!」。いい加減な予想は、期待を通り越してやがて確信へと変わっていく。そんな時、ヒトの脳ではいったい何が起きているのか。脳内にあふれるドーパミン、二度ともとには戻らない思考回路、ついには薬物中毒よりも深刻な依存状態に…。ギャンブル依存症の患者とその家族の苦しみに、長年向き合ってきた作家にして精神科医が多くの臨床例と最新の知見から解き明かす、恐怖のスパイラル。
本書では、人は、どうやってギャンブル依存に陥るのか、とてもわかりやすく解説されている。
また、帚木さんは、ギャンブル症を蔓延させる国や警察の作為、無作為について、手厳しく批判する。
ギャンブル依存だけでなく、買い物依存、窃盗癖、痴漢、盗撮等、「やめるにやめられない」嗜癖疾患の治療──主に自助グループの活動に依る──は、精神科診療、精神保健福祉のもっとも大きな課題となっている。
目次
第一章 ギャンブル脳の正体
第二章 ギャンブル症になりやすい人、なった人
第三章 脳が壊れ、家族が崩壊し、犯罪に手を染める
第四章 国と官僚の不作為が国を亡ぼす
第五章 ギャンブルと日本人
第六章 それでもギャンブル脳は回復する