ピーター・バーガーが、その自伝で、学生時代、(マンハッタン)「十二番街のバルザック」をめざしていたというくだりから、希代のストーリーテラー、バルザックの名作を読み直してみたくなった。
けっして、読みやすい小説ではない。
19世紀初頭のフランスを舞台として、かつて仕えた主人の末裔たちを命をかけて守ろうとするミシュ、ヒロイン、サン=シーニュ嬢ことロランス、ロランスに思いを寄せる双子のシムーズ兄弟をはじめとして、英雄、悪漢入り乱れ、重層的な人物造形と壮大な歴史絵巻が展開される。
バルザックはやはり天才だ。
バルザックの作品は絶版が多いので、ぜひ、復刊してもらいたい。
傑作ぞろいの「人間喜劇」からセレクトする3冊のコレクション、第3回。ナポレオンが戦争を拡大してゆく19世紀初頭のフランスを舞台に、貴族の名家を突如襲った陰謀の闇が描かれる。バルザック最高のヒロイン、サン=シーニュ嬢を軸に、英雄的な従僕ミシュ、冷酷無残な密偵コランタン、若き弁護士グランヴィル、さらにナポレオンやフーシェも登場する歴史小説の白眉。
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