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こころがひりひりするような、痛い小説だ。
「推し」に執心するこころの弱い人々をくいものにして増長する、アイドルビジネス。筆者は、そのビジネスの被害者である主人公に同情しない。冷たい筆致で、セルフネグレクトにまで至る、主人公の弱いこころを徹底してさらけだす。
読んだ後に、ざらざらした後味の悪さをひきずる、こんな小説もたまには良い。
推しが炎上した。ままならない人生を引きずり、祈るように推しを推す。そんなある日、推しがファンを殴った。第164回芥川龍之介賞受賞。
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