見出し画像

本と音楽とねこと

蜜と唾

盛田隆二,2019,蜜と唾,光文社.(10.20.2020)

 フィクションになにをもとめるかは、当たり前だけれども、ひとそれぞれ違う。
 ほとんど救いようのない現実に触れたければ、桐野夏生や吉田修一の作品を読めばよい。本作品は、ハッピーエンドを好む、お子さま向きである。
 かろうじて、本作品を読むに値するものにしているのは、人間の俗物性についての細やかな描写、この一点に尽きるように思った。

亮平が書いたブラック企業体験ルポが雑誌に載った直後、四年ぶりに美帆子から電話がかかってきた。美帆子はかつて亮平が家庭教師をしていた拓海の母親だ。拓海は中学受験を前に交通事故で亡くなり、その死はふたりに暗い影を落としている、はずなのだが…。この電話の二ヶ月後、亮平の元を刑事が訪ねてくることになる。リアリズムの名手が放つ傑作犯罪小説。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「本」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事