大学在学中から釜ヶ崎で野宿者支援活動を展開してきた筆者ならではの経験が生かされた好著。野宿に至る経緯が野宿者一人一人について細かく紹介され、福祉事務所等行政機関の無責任な野宿者処遇の実態が生々しく描かれている。明日は我が身。日本全国が釜ヶ崎化している現状に戦慄する思いだ。
野宿者(=ホームレス)問題が深刻化している。失業した中高年、二十代の若者、夫の暴力に脅かされる母子。いま、帰る場所を失った多くの人びとが路上生活に追い込まれている。他方では、多くの若者がフリーターや派遣社員として働いている。その数およそ400万人。遠くない将来、彼らも「若者」ではなくなる。そのとき、社会はどうなるのか…。大阪・釜ヶ崎で野宿者支援活動に20年間携わってきた著者が、野宿者とフリーターの問題を同じ位相でとらえ、日本社会の最底辺で人びとが直面している現実を報告する。「究極の貧困」を問うルポルタージュ。
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事