日本を官僚独裁主義国家として位置づけるウォルフレンの視座は正しい。
民主主義の手続きを経て選出された政治家が、国民の安全と利益に奉仕するのではなく、国益を毀損しアメリカ政府と官僚の意のままに操られるのはなぜか。
国民を忖度する政治家が主導する自主独立した国家への転換をはかろうとした小沢一郎は、アメリカ政府の意を汲む検察官僚とマスメディアにより失脚させられた。野田佳彦に至っては、完全に官僚の走狗となり、民主党政権を瓦解させた。民主党あらため民進党は、日本共産党等との選挙協力さえ拒む第二自民党へと堕し、脱アメリカ属国、脱官僚独裁を目指す政治勢力は弱体化した。
衆愚社会日本の内実を鋭くえぐり出した本書は、若い人にこそ読んでほしい。いまだ独立国家とはいえぬ官僚独裁国家が、世界でいかに異様なものであるのか、そのことは、いまだ民主主義が企業のオフィス、工場、学校等の門前で立ちすくむ日常的な風景と地つながりのものであるのだから。
目次
第1部 よき人生をはばむもの
偽りの現実と社会の檻
巨大な生産機構
停滞する社会の犠牲者たち
民主主義にひそむ官僚独裁主義
第2部 日本に運命づけられた使命
日本の奇妙な現状
説明責任を果たそうとしないバブルの張本人
第3部 日本人はみずからを救えるのか?
さらなる変化に見舞われた世界
不確かな日本の新時代
日本民主主義の可能性
自分たちの人生はどこかおかしい。この漠然とした不満を、驚くほど多くの日本人が感じているのはなぜか―。アメリカの疵護と官僚独裁主義に甘んじてきた日本社会の本質を、予言書のごとく喝破したベストセラーを大幅加筆&改稿。どうすれば、私たちは本当の民主主義を手にできるのか?小泉改革、金融危機、民主党政権、東日本大震災等を経て、いまだ迷走し続ける、説明責任なき政治の正体を抉り出す。
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