あちこちで絶賛されている本作であるけれども、もとが新聞連載小説なんでしかたないのかもしれないが、主人公の心理描写が細かすぎて、601ページを一気読みするのは少し辛いものがあった。
それと、桐野夏生さんの作品のような、毒、エグさがもっとほしいところだ。
2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。長らく忘却していた20年前の記憶―黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな“シノギ”に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい…。善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!
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