斉藤学の家族関係論、その出発点となった書物である。依存症の原因を家族関係のなかで生じるトラウマや、それ自体が「関係嗜癖」という依存症である「共依存」にのみもとめるのは危険ではあるが、斎藤の観点が、結果的に、依存症に苦しんでいる当事者に「気付き」を促し、症状を克服していくことにつながっていくのであれば、それはそれで有益なのだろう。読みやすいし、家族問題論の入門書としてもおすすめできる一冊だ。
目次
第1章 母と子
第2章 父と母と子
第3章 社会化と問題行動
第4章 結婚
第5章 成熟と喪失
第6章 共依存症からの回復
いわゆる「良い子」、いわゆる「理想的な家庭」ほど、現代社会の深刻な病理である“家族依存症”に蝕まれている。登校拒否、過食・拒食症、仕事中毒、アルコール依存症、不幸な結婚生活…。依存症潜伏期を見過ごしたためにこれらの悲劇は引き起こされた。旧来の家父長制と新しい家族像との間で蠢く活断層に、私たちはいかに対処すべきか?著者の処女作を大幅改稿した文庫決定版。
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