書名から、オルテガ、西部邁らの系譜をふまえた大衆社会、ポピュリズム批判の書かと思いきや、飲み屋の酔っ払いの讒言以下、事実誤認も含めて、きわめて低レベルの支離滅裂な私見がだらだら述べられただけのうそこ本。
これで「毒舌」を吐き「衆愚」に「鉄槌」を下すなど、おこがましいにもほどがある。このお方、リーマンあがりの小説家で、やたらリーマンおやぢ臭い処世訓をもちだしてくるのだが、その一つ一つがくだらなさすぎる。
しかし、こんなの読んで「溜飲の下がる」思いのするおやぢも少なくないのだろうな。この国をいちばんダメにしているのは、こんな終わってるとしか思えないおやぢたちなのだろう。
いつの間にか、この国では偽善的言説が「正論」になってしまった。負担は先送りして「国民のみなさま」にバラマキを約する政治家、セレブ生活を棚に上げて「CO2削減」を訴えるテレビキャスター、「誰もが望んだ仕事につける社会を」と空論を述べる新聞記者…。誰も本当のことを言わないのなら私が言おう、社会人なら心得ておくべき「当然の常識」を。思わず溜飲の下がる、衆愚の時代への鉄槌。
目次
第1章 派遣切りは正しい
第2章 欲望を知らない子供たち
第3章 夢という名の逃げ道
第4章 サラリーマンは気楽な稼業ではない
第5章 まだ株屋を信用しますか
第6章 非成長時代の身の処し方
第7章 老人専用テーマパークを作ろう
第8章 「弱者の視点」が国をダメにする
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