藤原るか,2019,介護ヘルパーはデリヘルじゃない──在宅の実態とハラスメント,幻冬舎.(10.14.24)
介護職は重労働のうえ低賃金であるため、人手不足が続いている。それなのに2018年の調査では、なんと4割の介護ヘルパーがセクハラを受けたと回答。介護歴28年、百戦錬磨の著者自身も、利用者から幾度となくベッドに誘われたり、パンツを下げ性器を見せられ迫られたり、キスをされそうになったりしたが、見事にかわし仕事をこなし続けてきた。そして「#Me Too」運動以降、セクハラをなくそうという流れは一気に加速。セクハラ・パワハラをなくし、介護職をよりやりがいのある仕事にするためのヘルパー奮闘記。
性産業従事者への差別心がモロ出しのこのタイトルはどうなのかなあ。
顧客と密室で二人きりにならざるをえないという点では、介護ヘルパーもデリヘル従事者も同じだ。
もちろん、デリヘル従事者が性的サービスを供するのに対し、介護ヘルパーは性的サービスの要求を、断固拒否することができる。
密室のなかでのセクハラにパワハラ、介護サービス事業者に求められるのは、ハラスメント加害者を、その行為が悪質であれば従業員が警察に被害届を出すのを支援すること、さほど悪質でなくとも、ペナルティとしてサービス供与を拒否すること、こうした断固たる態度であろう。
介護の現場でセクハラ、パワハラに傷つき、職場を辞す人も少なくない。
低賃金処遇の改善ともども、ハラスメント防止の徹底が必要だ。
目次
第1章 介護現場は最も危険なセクハラ横行地帯だった!
第2章 在宅介護でよくあるパワハラ
第3章 在宅で直面するてんやわんやの出来事
第4章 ペット全盛時代の訪問介護はむずかしい
第5章 介護をめぐる殺人事件
第6章 ハラスメント実態調査からわかること
第7章 超高齢社会にヘルパーは欠かせない!