Entrance for Studies in Finance

大震災による二重ローン対策について

政府は東日本大震災の被災者のいわゆる二重ローン対策について、

企業向け貸付については2011年7月8日までにまとめた。
被災企業の借金については、中小企業庁が各県につくる「産業復興機構」が買い取ることで
金融機関が新規融資に応じることを支援。
ただし産業復興機構のために国に用意できるのは中小企業基盤整備機構の
余剰資金2000億円だけ(8割出資)。あとは地元銀行の出資(2割)。
債権買い取り額は当面1500億円程度を想定。
債権の買い取りは再生可能などの条件を満たしたものに限定。
担保価値の減少により債権価値が下がっているが
債権の買い取り価格は 事業者の将来見通しや被災前の状況をもとに算定
債権の元利返済を5年程度凍結。

当初の民主党案は買い取りを企業向け債権に限定したものだったが 自民党・公明党との協議を経て
企業向けのほか 生業を営む小規模事業者 農林漁業者 医療機関向け債権含むことに変更された。

+なおこのほか再生可能な事業者に対する利子補給制度も創設することに

個人の債務者については、私的整理を促す方針で、「私的整理指針」が7月15日までにとりまとめられた。
すなわち個人については自己破産させず、第3者機関の承認を要件に債務免除。
国としては金融機関の債権放棄を無税償却を認めることで支援することになった。

なお

今回の支援対象になる債権額(当初想定の債権額)は総額で5500億円(2011年5月末)。
内訳は8割4500億円は企業向け
返済が一時停止しているもの6984件2512億円
金利減免などを受けたもの 3639件2007億円
2割が個人向け住宅ローンで1000億円
返済が一時停止しているもの6523件923億円
金利減免を受けたもの 863件122億円

このほかに農林業者向けで返済が滞っている債権は1000-1500億円という数値が示されている。

資料 日本経済新聞2011年7月9日
   金融財政事情2011/7/11, pp.10-26;2011/7/18, pp.8-9;2011/7/25, pp.8-9 
   「被災地の企業倒産」エコノミスト2011年7月26日, pp.13-14
福島第一原発 難航する循環注水
東京電力の信用力低下問題
福島第一原発炉心溶融事故(2011年3月)の経緯
水没ローンと戦略的債務不履行(戦略的デフォルト)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Economics」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2024年
2023年
人気記事