イラクで爆弾処理に従事するアメリカ軍兵士のお話なのだが、言葉が通じない環境で危険な業務に従事する兵士の視線から、イラク人がどのように見えるか。よく描けているのではないか。言葉が通じない。その中で毎日のように命令で突如、前線に送り込まれる。自分と回りの人々の安全のためには近づくイラク人を子供であれ、警戒する。前線でこちらに近寄る人間はすべてあやしい。制止を振り切って近寄れば拘束するか銃撃してもいい。こちらを見ながら合図をしたり携帯をかけたりは、敵対行動の可能性が高い。立ってこちらを見ているだけであやしい。ビデオで撮ってくるのはかなりあやしい。銃を構えていれば撃っていい。一人で夜間、兵舎を出ることはできない。そうした緊張を映像化している。映像はイラクで一見撮ったかのようにリアルだ(また繰り返し同じ場所に戻ることで解放感のなさを印象付ける。これは意図的なのだろう)。しかし最後に見ている側もその繰り返しにいら立ち、それにやや飽きてくるのはなぜだろうか。
原題のthe hurt lockerはexplosionとかextreme painを意味するという。casket(coffin)棺桶あるいはhospital bedを意味する隠語とも。しかしplaceではなく、悲しみを意味するもっと内面的なことだという以下のJeremmy Rennerのinterviewは参考になる。
the hurt locker (2008) trailer HD
inetreview with Jeremy Renner
2010-05-06(2016-05-31更新)
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