短時間で簡単に知識が得られるというのは安易と言えば安易だが、分かりやすい記述を旨にしているということであろうし、そもそも10時間かければたいていの本は読了する。
貨幣の価値は信頼に基づいており、金融に脆弱性の原因がここにある
鋳造貨幣 法定貨幣 国の紙幣:法定の不換紙幣
インフレは貨幣の信頼を低下させる
ハイエクの貨幣発行自由論 民間の銀行に勝手に通貨を発行させその中の良いものが勝ち残ってゆく
グレシャムの法則 良貨が利用されず退蔵される現象
基軸通貨 現状では米ドル 自然発生的にきまる 第二次大戦前までにはイギリスのポンドだった
名目利子率=実質利子率+期待インフレ率
生産性(期待利潤率)が高いあほど 時間選好率が高いほど 利子率は上昇する。このように決まる利子率の水準を自然利子率とよぶ
自然利子率は長期的に実質利子率に収斂する
実質利子率(米国債金利ーインフレ率)はこの20年間(1998-2016) 長期的に低下傾向にあり現在はゼロの近い
その原因については 技術革新の枯渇により投資の生産性・利潤率の低下 各国の強力な金融緩和政策 新興国の貯蓄超過 所得分配の不平等 などが原因とされることがあるが、原因を特定されるには至っていない。
資金の融通の仕方には 貸付(デット) 出資(エクイティ)の区別がある
借金はレバレッジ(その逆数が自己資本比率)の水準を上げる レバレッジの水準は財務リスクを変化させる
直接金融 黒字主体 赤字主体 間接金融 金融仲介機関 相対取引 市場取引
リスク分散 発行市場 公募 私募 流通市場
決済機能 要求払い預金 当座預金 日銀券+日銀当座預金=ハイパワードマネー(ベースマネー)
定期預金など貯蓄性預金
預金準備 法定預金準備+超過準備
信用創造
審査 モニタリング(借り手の行動の監視)
システミックリスク 波及して多くの銀行の機能があやうくなる
事前的対応の典型として自己資本比率規制 BIS1規制 レバレッジを12.5倍以下(1/0.08)とする
事後的対応 としての預金保険と中央銀行の最後の貸し手機能
公的資金で預金者 債券保有者を救うこと ベイルアウト
預金者の銀行監視機能が低下すること モラルハザード
機会曲線 複数資産を組み合わせて ある平均収益率を実現するときリスク(標準偏差)を最小にする組合せの集合
(縦軸に平均収益率 横軸に標準偏差 分散投資効果で左側に凸になる。)
効率的フロンティア ある平均収益率を達成しようとするときに実現可能な最も低いリスク
投資家のリスク・リターン選好(UU曲線)と機会曲線の接点 最適ポートフォリオを示す
割引現在価値
金利の期間構造 純粋期待仮説
市場分断仮説(特定期間選好仮説)
流動性プレミアム仮説
ファイナンス理論的にはアクティブ運用を正当化は簡単でない・・・将来の株価変動を長期にわたって正しく予想することはできない
ただしアクティブ運用をする人がゼロだと、市場は効率的でなくなる
量的緩和にもかかわらず 物価は上昇しなかった 貨幣の中立性命題(貨幣量がふえれば物価は比例してあがる)が成立しない
失業率の低下にもかかわらずインフレ率が上がらない 期待インフレ率が低位で安定 フィリップ曲線の形がフラットになっている
インフレ率は高まらないのに失業率が低下する
金本位制
ブレトンウッズ体制 間接的な金本位制 1オンス35ドル SDR(特別引き出権)の導入
1970年代前半に崩壊
為替相場決定の学説
購買力平価仮説 内外物価格差を打ち消すように為替レートが決まる 長期では有効
内外資産の収益率格差・・・むしろ予想変化率が決めているとも
外貨を持っている国の通貨が通貨高になるとする safehaven仮説
国際金融のトリレンマ 以下の3つを同時にすべてを享受できない
固定された為替レート 自由な国際的資本移動 自律的な金融政策の発動
バーゼルⅢ 2019年3月完全実施
普通株式などの対リスク資産比率を2%から4.5%に引き上げ
平時で2.5%の資本保全バッファー(ストレス時は配当役員報酬に回せる)
好況時に規制資本を増加させるカウンタ―シクリカルバッファー
大手金融機関向け上乗せ規制
従来の8%から最大で15.5%に引き上げ。
CoCo債(偶発転換社債 銀行が苦境におちいったとき 利払の停止 元本削減 株式への転換などが可能でバーゼルⅢの自己資本に組み入れ可能)の導入 銀行破たん時に債券保有者に預金保険をこえて預金保護者保護に必要になる金額を負担させる