世界的な過剰生産能力。稼働率を維持するため、採算割れでの受注の横行。過剰在庫、頻発する値崩れ。
鉄鋼業
中国の鉄鋼業の膨張が止まらない。2012年末の中国の粗鋼生産能力9億トン。うち2億トンが過剰:世界の鉄鋼需要の1割。地方政府と鉄鋼メーカーの蜜月関係。地方政府傘下の鉄鋼メーカー(地方自治体が後押しする中小メーカー)。地元自治体(雇用を懸念)=鉄鋼メーカー=地元金融機関。800社 350万人が働く。過剰生産の原点は2008年の4兆元(65兆円)の景気対策。
2011秋 日本では採算改善のため大手が値上げの動き すると中小規模の高炉が増産 在庫増加 2012春値崩れ。世界の鋼材需要は年15億トン 能力過剰は5億トン(25%) 中国の過剰能力は3億トンに増加(2013年半ば)。中国の中小メーカーが増産 輸出に走っている(日本からみると輸入鋼材)。
中国政府は製鉄施設統廃合を掲げているが進まない。加えて中国鋼材需要減速(国内の建設投資が2015年にpeak out)する。 中国は輸出に拍車をかける。
中国の景気減速・米国の景気回復(鉄鋼価格上昇 価格差縮小で輸送コスト考慮しても流入へ) 米国などに流入(中国の為替操作批判)
日本国内では震災復興需要+自動車向け鋼板需要で国内需要は堅調(2014年2月)だが、それが輸入を引き寄せる。円安で輸入鈍る効果。需要は堅調続き鋼板価格は上昇が2013年9月から2014年2月続いた。しかし2013年末頃から鋼材の在庫が急増。鋼材価格は踊り場(2014年2月)。
なおビルの解体などにより鉄スクラップが増えたことでスクラップ価格(電炉メーカーへ 粗鋼生産の2割をしめるが電機料金引き上げで経営が苦しい)はおさえられ 中国の減速をうけて 鉄や石炭価格は下がり気味。国内需要は自動車、建設がなお堅調。
造船業
ここではばら積み船では中国だけでなく韓国との争いがある(低賃金を武器とする両国で世界の建造量の7割 日本ノシェアは2割 稼働率維持に向け低価格で受注に動く傾向 世界の船の建造能力1億総トンに対し船の需要は5000万総トン 過剰生産能力は同数の5000万総トン50%)。受注競争で船価は下がり気味。建造のむつかしいLNG船(LNGの輸送や、シェールガス革命で大量に必要)は収益性高いが、主として韓国と競争(韓国のシェアが圧倒的 8割くらい)。円安効果で採算が改善、輸出船受注が2013年は大幅に増えた。日本に船は燃費性能が高い(低燃費船:エコシップ 韓国と互角で受注競争中)。洋上プラントなど海洋開発用浮体構造物。海洋開発船。次世代(大型風力船 環境負荷の小さな船舶の開発)
今治造船 川崎重工業 三井造船 日立造船
三菱重工業 住友重工業
海運業界も船舶供給過剰 船賃は2012年に市場最悪
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