2016年9月1日 ファミリマート(2016年7月末の店舗数11,872 2016年2月期全店ベース1日あたり売上高51.6万円)とユニーGH(同左6,251 サークルKサンクス 同左43.1万円)が経営統合してユニーファミリーマートHD(合計店舗数18,123)が誕生した(共通ポイントはTポイントに一本化 ブランドはファミリーマートにっ順次転換 規模拡大で仕入れ配送の効率化 商品開発のテコ入れにより収益力拡大目指す)。店舗数1万8,000超え(18,123)によりセブンイレブン(18,860)に店舗数で肉薄。今後は収益力の大きな格差を如何に埋めるかが課題される。
経営力格差の一因として、水道光熱費負担や弁当などの廃棄損失を、店舗側に押し付けるファミマのFC契約の存在が知られる。今回 経営統合に合わせて水道光熱費や廃棄損失について、セブンイレブン同様に一定割合を負担するように変更するとのこと。
他方 この経営統合でローソン(12,537店 54.0万円)は業界2位から3位に転落した(2014年12月 中国地方地盤のポプラに5%出資 2015年8月 神奈川地盤のスリーエフと資本業務提携交渉入り)。ローソンはもともと三菱商事系(33.4%)。伊藤忠がファミマに出資(33.4%)していることとならべて、商社のコンビニへの関与はよく議論されてきた。なお セブンイレブンモもわずかに三井物産の影響下にある1.8%。
ローソンに対してこれまでも三菱商事は社長を送り込むなど、影響力を行使してきたが(その結果 ROEの高さなど 資本効率を追及した経営で知られる反面 規模では立ち遅れが目立ち 今回店舗数でついに3位に転落した)。コンビニ業界では、セブンイレブンでの鈴木敏文氏の退任、ユニーファミマHDの誕生などを受けて、新たな展開が求められる局面で、三菱商事がローソン子会社化を打ち出した(2016年9月16日)。しかし三菱商事系との連携強化で果たして、ローソンの経営力が変わるか、疑問が多い。子会社化すれば、ローソンを連結決算に加えて、商事の規模は大きくはなる。それは確かだが、しかしそれ以上の変化は何かあるのか?
背景には非資源分野の強化という経営課題がある。商社はもともと資源分野に強く、そのため資源価格の影響を受けがち。16年3月期 非資源分野に強い伊藤忠商事が 商社の中で利益額首位になったことに対して 三菱も生活関連事業強化を打ち出す狙いがあるとされる。しかしローソンへの投資額は1400億円超とはいえ、それほど大きなものではなく、また出資比率を上げればすでに商事の影響下にあった経営がにわかに変化するとはとても思えない。子会社化に、商事出身の役員を増やし連結会計で商事の規模を増やす以上の意味はあるだろうか?。小手先の投資に思えてならない。