不動岡高校ラグビー部

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しんぺーの車椅子バスケ的日常 041より

2014-10-19 19:44:50 | 日記
以前、ご紹介した及川晋平さんのブログより。
http://clpjapan.org/blog.htm?no=41&continue=on#continue
及川さんは骨肉腫で片足を切断、紆余曲折を経て、車椅子バスケに出会い、アメリカへ車椅子バスケ留学もしています。
パラリンピックにも何度か出場し、今はJAPANチームのヘッドコーチをしています。
(昨日の松岡修造を引きずっています。)

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車椅子バスケには
車椅子のこと、個人の障害のこと、車椅子バスケのこと、考えなければいけない要素が山ほどある。
ただ車椅子に乗ってバスケをすればいい、というわけではない。
そこは、非常に大きなポイントのように思う。
例えば、障害のこと。
持ち点は1~4.5まで0.5刻みで分かれているが、「全く同じ」障害を持った人はまずいない。
今回エリートキャンプ参加していた選手の中に、ものすごく背骨が変形しており、常に斜め45度で車椅子に座る女の子がいた。
彼女の持ち点は1点。
しかし、ものすごく上半身の力が強いため、代表チームでも大きな戦力になることは間違いない。
「え~!この子が1点!!!」と、
パラリンピックで将来を期待される選手だ。
この将来性のある女の子をどう育てていくのか?
これがコーチの一番の役割。
最初はできないことばかり。
「こんなことができて当然だろ!」「普通はできるよ!」というような「バスケットボールの」常識は、いっさい通用しない。
障害の関係で正面でボールをうまくキャッチできないわけだから、
斜めの姿勢でどうボールを受け取り、ドリブルし、シュートするのか?、
車椅子をどう操作し、相手をディフェンスするのか?
それを教えていくんだ。
「彼女にとって」どうしたらやりやすいのか?
「彼女の障害が」どう動きに影響しているのか?
どの姿勢は強くて、どの姿勢は極端に弱いのか?
そういったことを、プレイを通して見極めていく。
また、どう車椅子の設定を変えたら、PLAYしやすくなるのか?
弱い部分を強くすることができるのか?
「車椅子」、「障害」、「バスケットボール」
この3つには、うまくいく接点が必ずある。
それを見つけ出し、将来パラリンピックに出場するバスケットボールプレイヤーにしていく。
それが真の「車椅子バスケットボールの」コーチなのだ。
コーチとして一番難しいと感じたことは
山ほどある“できないこと”の中で、
“できないこと”を見ず、
“できるようになること”を見つけだすこと、だ。
そして、“できるようになること”をできるように、選手と一緒に挑戦すること。
重要であり、とても難しいこと。
マイク(イリノイ大学のチームのヘッドコーチ)がかつて教えてくれたことを思い出す。
・よいところを褒める(Good Things)
・上手になるところを教える(Things to improve)
コーチをする上で必要なことはこの2つだけだと。
僕はその時、どうしてもまだ、上手になるかどうかも分からない失敗(できないこと)を見つけ、
選手に罵声を浴びせてしまい、その失敗に、選手と一緒に向き合って乗り越えていく勇気も覚悟も
自分は充分に持っていない、と感じていた。
「見極める力」が欲しい。