三条界隈には、いくつかの格式高い旅館があります。
たとえば、かのスティーブ・ジョブズの
定宿だったことでも知られる 『俵屋旅館 』 ・・・
創業300余年 ・・・
現存する旅館としては京都で最古ではないでしょうか。
注: 現在の当主は11代目。
80才を超える女将 佐藤 年 (さとう とし ) さん。
豊臣秀吉の 『天正の地割 』 の要項のひとつは、
貴族が所有する広大な土地を分割し、
そこに新たな通りをつくることでした。
その結果、
新しく生まれた通りに多くの商業が発達しました。
(7月2日のブログ参照 )
(俵屋旅館の玄関 )
また、三条通は東海道につながっていました。
さらに、三条界隈は御所にも近く、
商用、公用など人の往来が活発になりました。
こうした状況を背景に、
旅館街が形成されていったのでしょう。
『炭屋旅館 』 ・・・
創業は1920年頃です。
前身は炭商人だったといわれています。
俵屋旅館の創業からおよそ200年後 ・・・
つまり、200年以上にわたって、
旅館の需要が続いていたことを物語っています。
(三条界隈が賑わっていた )
(炭屋旅館の玄関 )
しかし、太平洋戦争後ホテルの台頭 ・・・
そして、日本人のライフスタイルの変化などにより、
多くの旅館は淘汰されました。
京の文化を極め、
『しつらい 』 『もてなし 』 『ふるまい 』 を大切にし、
高級志向に徹した旅館だけが
生き残ったといえるのではないでしょうか。
三条界隈の
秀吉がつくった通りに沿って建つビルやマンション ・・・
それらのほとんどが、かつては旅館だったそうです。
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