概要
アメリカ合衆国
(＝米国)が
貿易相手国に
対して
「相互関税」
を指示したこと、
そして
それが日本に
与える影響に
ついて
様々な観点から
説明する。
米国の相互関税政策
トランプ
米大統領は、
貿易相手国が
課す関税率と
同じ関税を
米国も課す
「相互関税」
の発動を
検討するよう、
関係省庁に
指示した。
これは、
米国の
貿易赤字を
削減し、
貿易の公平性を
確保する事を
目的としている。
対象となる
国や地域は
個別に調査され、
早ければ
4月にも
大統領が判断し、
実施される
見込みである。
また、
調査では、
貿易赤字が
大きい国や
地域が
優先される
との事である。
言うまでもなく
日本も
相互関税の
対象となる
可能性がある。
特に、
農産品や
自動車分野
での影響が
懸念されて
いる。
米国は、
日本の
農産品や牛肉の
関税が高い事を
問題視しており、
関税の引き下げを
求める可能性が
大いにある。
また、
自動車分野など
での
非関税障壁
(＝規制や慣行など）
も、問題視しており、
米国が日本に圧力を
かけてくることは
ほぼ間違いない。
日本政府の対応
日本政府は、
米国側の動きに
対し、
影響を回避する
ため、
米国側への
働きかけを
急いでいる。
経済産業相は、
詳細把握を
急務とし、
官房長官は、
対応に
乗り出した事を
明らかにした。
ここで、
米国が日本の
農産物に対する
関税を
引き上げた場合
に出る
様々な影響を
以下に
具体的な例を
挙げて説明する。
例えば、
農産物の関税を
上げられた場合
を想定する。
この場合は、
日本の農産物
輸出に様々な
影響が出る事が
考えられる。
➀輸出量の減少と
輸出額の低下
関税引き上げに
より、
日本の農産物の
輸出価格が上昇し、
米国市場における
競争力が低下する。
結果として、
輸出量が減少し、
輸出額も低下する。
特に、
価格競争力が
重視される農産物
(例：米、果物、
野菜など）
は、影響を受ける
と考えられる。
➁特定の農産物
への影響
＜和牛＞
和牛は、
高品質で高価格な
ため、
関税引き上げの
影響を受けやすい
と考えられる。
米国市場における
需要が減少し、
輸出量が大幅に
減少する。
＜日本酒＞
日本酒は、
近年米国市場で
人気が高まって
いるが、
関税引き上げに
より、
価格競争力が
低下し、
輸出量の伸びが
鈍化する。
＜果物＞
(例：イチゴ、
リンゴ、ブドウ）
日本の果物は、
高品質で
人気があるが、
関税引き上げに
より
価格が上昇し、
米国産の果物
との競争が
激化する。
では、
国内の農家や
関連産業への
影響はどうか？
輸出量の減少は、
国内の農家の
収入減少に
つながり、
経営を圧迫する。
また、
農産物の輸出に
関わる運送業、
加工業などの
関連産業も
影響を受ける。
③米国市場における
日本産農産物の
イメージへの影響
関税引き上げに
より、
日本産農産物の
価格が高騰し、
米国市場における
イメージが低下
する。
特に、
高品質・高価格を
売りにしている
農産物は、
ブランドイメージ
の維持が難しく
なる。
では、
他の市場への
影響はどうか？
米国市場での
輸出量が
減少した場合、
他の市場への
輸出を拡大する
必要が生じる。
しかし、
他の市場でも
競争が激化して
おり、
輸出先の多様化
は、容易ではない。
では、
どのような対策が
考えられるか？
➀輸出先の多様化
米国以外の
市場への輸出を
拡大する。
➁高付加価値化
高品質・高価格の
農産物の
開発・販売を
強化する。
③コスト削減
生産コストや
流通コストを
削減し、
価格競争力を
高める。
④政府による支援
輸出支援策や
関税交渉による
関税引き下げを
目指す。
これらの対策を
講じることで、
関税引き上げの
影響を最小限に
抑えることが
重要である。
日米間の主な関税率
日本と米国の
主要な品目に
おける関税率を
比較する。
➀コメの関税率は
日本が204.3%、
米国が6.1%
➁肉類の関税率は
日本が23.3%、
米国が4.7%
③砂糖の関税率は
日本が1.3%、
米国が10.4%
④乳製品の関税率は
日本が7.8%、
米国が17.9%
⑤自動車の関税率は
日本が0%、
米国が1.9%
そして、
全体平均は
日本が3.2%、
米国が1.4%
である。
以上から、
日本は
コメや肉類
などの
農産品の
関税率が高く、
一方で、
米国は
砂糖や乳製品の
関税率が
高いことが
分かる。
相互関税のポイント
相互関税とは、
貿易相手国が
課している
関税率が
自国が
その相手国から
輸入する際に
かける関税率
より高い場合に、
相手国と同等の
税率まで
引き上げる措置
である。
例えば
相手国が
米国からの
輸入品に
15％の関税を
かけている場合、
米国も
その国からの
輸入品に
15％の関税を
課すことが
想定される。
あくまでも
貿易不均衡の
是正を図る
目的である。
それ故
トランプ
米大統領は
「関税は
公平になる」
と
意義を強調
している。
言うまでもなく
対象は
世界各国であり、
発動は4月以降の
見通しである。
とはいえ
発動の是非を
判断するため、
米国商務省
などが
調査を行う
ようである。
その際
関税だけでなく、
補助金や規制と
いった
非関税障壁も
判断材料となる。
非関税障壁
非関税障壁とは
関税以外の方法で
貿易を制限する
ために
各国が導入する
措置である。
➀輸入数量の上限や
品質規格の設定
➁複雑な検査や
認証手続きの要求
③国内産保護の
ための補助金
などが
含まれる。
トランプ政権は、
日本の
自動車市場に
おける安全の
認証基準などが
非関税障壁である
と主張している。
具体的な例で
説明する。
日本の
コメの関税率が
204.3%と
非常に高いのは、
国内のコメ農家を
保護するためで
ある。
しかし、
米国はこれを
不公平だと考え、
関税の引き下げ
を求めている。
また、
日本の
自動車市場に
おける
安全基準や
車検制度が
厳しいことは、
日本の消費者の
安全を守る
ために
必要である。
しかし、
米国はこれを
非関税障壁だ
と考え、
米国車の輸出を
妨げている
と主張する。
総合
米国の
相互関税
政策は、
日本を含む
多くの国に
影響を与える
可能性がある。
それ故
日本政府は、
米国との
交渉を通じて、
日本の国益を
守るために
努力し、
ノーリスクの
状況にする
義務がある。
