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教科書デジタル化

2023-11-29 04:09:40 | 日記

デジタル教科書急拡大

パソコンやタブレット端末で使うデジタル教科書について、

全ての公立の小中高校などで導入した市区町村が急増している。

急速な普及の一方、活用法に悩む教員が多いことも判明。

読解力向上には紙の教科書が適切との意見も強く、

併用しながらどう学習効果を高めるか、今後の活用が

期待される。

活用法に苦悩する教員 

文科省は、令和6年度に小学5年から中学3年の英語でデジタル

教科書を導入する方針。

全国の小中学生にパソコンやタブレット端末を1人1台配備する

計画はほぼ完了しており、教育のデジタル化は一層進展する。

集計した結果、学校数で見ると32,732校中11,737校で、

35.9%に上った。

青森市や松山市、福岡市といった県庁所在地のほか、千葉県柏市や

東京都江東区など人口の多い自治体でも普及。

文科省が3年度、実証事業で小中学校の4割に配ったことが影響した。

端末配備も進んだ。

公立小中高校などの端末1台当たりの児童生徒数は平成28年までは

6人台だったが、全小中学生に端末を配備する「GIGAスクール構想」を

政府が令和元年12月に打ち出した後に急増した。

デジタル教科書は図や文字を拡大し、音声や動画も視聴できるのが特徴。

読み上げ機能やタッチペンによる書き込みもでき、学習方法の広がりが

期待される。

一方、視力低下など健康面への影響が懸念され、活用方法を模索している。

文科省の調査によると、教員が困ったことは「デジタル教科書を活用した

教科指導方法の検討」が54.4%で最多。

「紙とデジタルの使い分けがわからない」は40.4%だった。

「フリーズ、エラー表示された時」、「児童生徒が授業と関係ない操作に

集中することがある。」を不便に感じたことに選んだ教員が各5割近くいた。

端末配備、生徒数を超える

パソコンやタブレット端末などの「教育用コンピューター」は、

小中学生に1人1台の端末を行き渡らせる政府の「GIGAスクール

構想」と新型コロナウイルス感染症の流行で配備が一気に進んだ。

数年前までは計算上1台の端末を5、6人で使う状態だったが、

今年3月時点ではコンピューターの台数が児童生徒の数を初めて

上回った。

文科省によると、公立小中高校などに配備されたコンピューター

1台当たりの児童生徒数は、平成22年から28年は6人台だった。

文科省が令和元年にGIGAスクール構想を打ち出し、2年3月時点で

4.9人。3年3月時点では1.4人とコンピューター台数と児童生徒数が接近。

4年3月時点で0.9人となった。

具体的な台数、人数で見ると、4年3月時点のコンピューター台数は1235万台で、

3年3月の834万台から急増。児童生徒数の1131万人を超えた。

GIGAスクール構想は、端末の配備に加え、光速通信環境も整備する計画。

新型コロナウイルス感染症の流行で遠隔授業の必要性が増したことも、

端末配備の追い風になった。

デジタル教科書とは?

パソコンやタブレット端末に表示して使う教科書。

学校教育法改正で、平成31年4月から小中高校の授業で正式な教科書

として使えるようになった。

内容は紙の教科書と同一。文科省は令和6年度に英語で先行導入し、

7年度には算数・数学でも導入する検討を進めている。

価格は科目や出版社によって異なるが、文科省によると小学校

教科書の場合、デジタル版は200円から2000円ほどで、紙の教科書は

平均403円。

紙の教科書は無償配布。文科省はデジタル版も無償としたい考えだ。

デジタル教科書を活用する指導力が課題

教科書でもデジタル化の動きが進んでいる。来年4月から使われる

小学校の教科書すべてに、インターネット上の動画など関連教材に

アクセスできる2次元コード(QRコード)がつけられた。

楽しく学べるよう工夫されたデジタル教材もあり、活用が期待されるが、

教員がこうした教科書を使いこなせるか、指導力が一層問われよう。

現行教科書でもQRコードをつけたものがあるが、大幅に増えた。

小中学校の児童生徒には国の「GIGAスクール構想」でタブレットなど

学習用の情報端末が1人1台配布された背景がある。

教科書の関連箇所にQRコードがついており、情報端末で読み込むと、

動画や音声を含むデジタル教科書が利用できる仕組みだ。

国語では教科書に掲載した作品のその先を読めるほか、算数では

練習問題や解答のヒント、理科や社会ではゲームを通して理解を

促す教材もある。

特に小学5・6年生で教科化がされている英語では歌を通して英語に

親しむなど、音声や動画教材が工夫された。

中学を含め、英語で令和6年度から、紙の教科書と併用し、デジタル

教科書が導入されるのを先取りした形だ。

図書館に通って図鑑等で調べた世代からは、居ながらにしてこうした

教材を利用できるのは羨ましい。

だが、手放しでは喜べない問題もある。

教員からは、ただでさえ、授業時間内に教科書の内容を教えきれないとの

声がある。

QRコードが宝の持ち腐れにならないか。

自宅学習で活用するとしても、肝心の授業が面白くなければ、子供たちは

その先を学びたいという気にはならないだろう。

教員が豊かな知識、教養をもとに、いかに子どもたちの心を捉える授業を

するか、指導力にかかっていることを忘れたならない。

デジタル画面より、紙の活字の方が文章を熟読し、理解を深めるのに適して

いるとの指摘もある。

理科の実験を例にしても、動画は一時の興味を引いたとしても、見ただけでは

理解は深まらない。

失敗など実体験を通してこそ身に付くこともある。

現代の子どもたちは、幼い頃からスマートフォンなど情報端末に頼り過ぎる

傾向もある。

教員はデジタル化の長所、短所を自ら理解し、指導に当たって欲しい。

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