斯く語りき

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結局、行政は何もしてくれなかったんでしょうか?

2018-01-04 23:45:00 | 社会部
両親「娘に食べ残し与えた」…数年間監禁録画も

ここまでのことが行われてきた訳ですから、この問題の根本は相当深いと思います。恐らく逮捕された両親も端から此の様な酷い仕打ちはしたくなかったと思いますが、どれだけ生まれてきた我が子を精一杯育てようと決意しても、こと精神疾患ともなれば並大抵な意識では務まりません。健常者であれば二十歳を境にして基本的には独立した存在になりますが、そうでない場合は一生面倒を看なければなりません(程度によっては健常者と変わらない生活ができる場合もあるでしょうけれど)。

そもそも医師の診断で精神疾患と認められたのであれば、やはり入院させるなり専門の施設に入れるなりの対処ができたと思います。それなのに何故そうした方向に行かなかったのでしょうか。

単に入院や施設といっても、そこを利用するとなれば費用が掛かります。況してや半永久的な処置であれば終わりが見えません。とても其処まで面倒が看られるか判らないというのが正直なところでしょう。

本来であれば行政が一生面倒を看るべきだと思うのです。勿論、丸っきり行政任せという訳にはいきませんが、両親の収入からの負担が多くならない範囲で行政が出すべきだと思うのです。

もし行政が彼女の面倒を看るという話になっていれば今回の様な事態にはならなかったと思います。ただ、現在の行政では必要最低限のものしか準備できず、その範疇を越えることになったら行政としても支えられないという現実が待ち構えていたのでしょう。だからこそ両親は彼女を自宅で面倒を看るという選択肢になったのではないでしょうか。

本来であればランクが上の施設が必要なのに、そこへ入れるための費用が足りないから自分たちで面倒を看る選択肢を選んだものの、長年の蓄積された疲労が判断能力を狂わせてしまったのではないでしょうか。

他方で、現場である自宅は個人のものにしては大きいと思いますし、監視カメラを取り付けることや録画をする『余裕』があることを考えると、そこに金銭に窮していた可能性があるとは思えないのです。

もしかしたら彼女をランクが高い民間の施設に入れることが十分可能であったのに判断能力が狂ってしまったから、逆に厳しい環境下に置いてしまおう、即ち自分たちには精神疾患の人間なんて最初からいなかったんだという気持ちになったのでしょうか。そうして死んでしまえば自分たちの役目も終えられるが、下手に逃げ出したら厄介だから機械に監視させようとしたのではないでしょうか。

自分自身は独身なので子を持つ気持ちの実際がありません。ただ、どんな形で生まれてきても20年間は責任が生じるという覚悟が必要なのだと常々考えてはいます。そんな自分でも、実際に彼女の様な子供を持った時に対応できるか否か問われたら答えに窮すると思います