2月末に台湾で「KANO」という映画が公開されました。
この予告編を観ただけでも、直向きな姿に感動しました。
この映画は台湾日本統治時代(1895~1945年)に実在した嘉義農林学校(かぎのうりんがっこう)の甲子園初出場への物語です。
嘉義農林学校は台湾中南部の嘉義市にあった農業系の高校です。2000年に大学に昇格して、現在は国立嘉義農林大学と改称されています。
その嘉義農林学校野球部は春1回、夏4回甲子園に出場しています。
しかも、初出場した1931年第17回大会では決勝戦に進出しています。
この頃、台湾代表として甲子園へ出場するのは、日本人のみで編成されていた台北商業高だったそうです。
のんびりした雰囲気だったこともあり、嘉農は弱小チーム。でも、新任監督として元愛媛・松山商業監督の近藤兵太郎(愛媛県立松山商業学校野球部を初の全国出場へと導いた)により、甲子園出場を果たします。
この予告編にもありますが、原住民、中華系住民、日本人の混成でチーム編成されています。また、日本統治下であれば、日本人を優遇することもあったと考えられますが、甲子園出場時のレギュラーは原住民の方が多かったそうです。要するに完全な実力主義だったのです。
異なる民族の高校生が初出場した甲子園での快進撃。当時の多くの日本人が「天下の嘉農」と呼び、その姿に感動したそうです。
なお、この時、甲子園に出場した呉昌征(ご・しょうせい)さんは、その後、読売ジャイアンツ・阪神タイガースで活躍。1995年に日本プロ野球殿堂入りしているそうです。
久々のお勧め野球映画です。
やっぱり、野球っていいな。