第3回ワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)で一躍ヒーローとなった井端弘和選手。
あれから約8か月後にチームを退団、自由契約になるとはその時、誰も予測していなかったと考えます。
落合GMは「体にメスも入れたし、億以上を出して球団がリスクを背負えるか、という判断。戦力外の選手に金額提示はしない」とコメントしました。実際、その年の成績で翌年の年俸が決まり、何より12年ぶりのBクラスと言うチームですので、過去の実績はともかく、主力メンバーの年俸ダウンは致し方ないと私は考えます。
終身雇用制の社会が変わり、プロ野球もチーム一筋という考え方の選手も希少価値になってきましたが、ドラゴンズの功労者でもある井端については、プライドと気持ちを傷つけたに違いありません。
真意は判りませんが、自分が戦力外と見られたような契約内容(金額)であったのが許せなかったのでしょう。でも、野球がやりたい、ドラゴンズでやりたい、という気持ちが契約内容(金額)よりも小さかったと思えて仕方がないです(「結局、お金だったのね」と思われてもしょうがないかな)。
一方で、アライバコンビの荒木雅博選手は井端選手ほどではありませんが、限度いっぱいの年俸ダウンにもかかわらず、井端選手退団の発表日に来期の契約更改をしています。
また、今年出場機会の少なかった小田幸平選手だって減額制限ギリギリ。出場機会を求めて移籍を希望しても不思議はないはずですが。
もしかすると、野球観の違いが大きく影響してるのかも知れません。
でも、昨年6月のインタービューにこんなコメントを残しています。
「プロは契約社会ですよね。球団から『いらない』と言われれば、それまでなんです。中日ドラゴンズに育ててもらい愛着はありますが、そういう日が来ることもなくはないでしょう? 数年前にFAの権利を得たときも、他のどこかの球団から欲しいという話があれば、どうなっていたかはわからなかったと思っています。評価されて魅力のあるオファーがあったならば、移籍していた可能性もあったと思うんです。たまたま、そういう話がなかっただけなんですよ。球団は、5年という長期契約をオファーしてくれましたが、その年数を僕が望んだわけではありません。しかも、年俸の変動性で成績に応じて契約更改を行うものだから、実質は単年契約と同じなんです」
井端選手は何年も前からこのことを予測していたのでしょう。
井端選手の他にも自由契約から、他チームに移籍して、再チャンスを得た選手もいます。
そんな選手たちの必死な姿が見られるキャンプインまで、もうすぐです。