「東京で桜が開花した」と2023年3月14日に気象庁が発表しました。これは1953年に統計を取り始めてから、2020年と2021年に並んで最も早いとのことです。
実は前日の3月13日に気象庁の職員の方が、東京地方の桜の開花を決める標本木を観察したときに3、4輪開花していたのだそうですが、染井吉野(そめいよしの)の開花は5、6輪ほど咲いていることが条件のため、宣言にはならなかったそうです。
東京都よりも暖かいところがあり、沖縄県と静岡県では毎年1月中旬には日本一早い桜まつりが開かれています。こちらは濃いピンク色で下向きに咲く寒緋桜(かんひざくら)という種類になるそうです。
そもそも気象庁では観察する対象の木を「標本木」と呼んでおり、その標本木は全国各地の気象台や測候所の構内か、近くの公園や神社などにある木を指定しています。
そして、桜の場合には標本木には基本的に染井吉野が選ばれているのです。
(桜と松本城:2022年4月撮影)
(桜と松本城:2022年4月撮影)
染井吉野は江戸時代末期に江戸染井村(現;東京都豊島区)の植木屋さんが売り出され、当時は桜の名所として有名な奈良の吉野山にちなんで「吉野桜」と名付けられていたそうです。
ただ、1900年に上野恩賜公園の桜の調査で吉野山の山桜(やまざくら)とは種類が違うことが判明し、吉野山の山桜と間違いやすいため、染井村の名を取り「染井吉野」という名前が付けられました。
この染井吉野は人が作った栽培品種で、実際に生まれた場所はまだ定説がないようですが、お母さんが「江戸彼岸桜(えどひがんざくら)」、お父さんが「大島桜(おおしまざくら)」の種間雑種(しゅかんざっしゅ)であることはわかっています。
そして、明治時代の中ごろから多く植えられるようになり、今では全国に植えられている桜の約80%を占めているとのことです。しかも、いま日本全国に植えられている染井吉野は挿木(さしき)や接木(つぎき)などによって限られた原木を元に作られ、ほぼ同じ遺伝子を持っているそうです。
遺伝的にほぼ同じですから体質的(?)にも同じになりますので、気象条件の変化による開花の様子は全国的に同一環境で観測できます。
つまり、
■全国的にどこにでも植えられている
■同一環境で観測できる
ということから選ばれていおり、桜と言えば染井吉野とイメージするようにもなったようです(諸説ありますが)。
ただ、染井吉野が咲かない沖縄県は寒緋桜、北海道の北東部では蝦夷山さくら(えぞやまざくら)や千島桜(ちしまざくら)を観測しているそうです。
ただ、染井吉野が咲かない沖縄県は寒緋桜、北海道の北東部では蝦夷山さくら(えぞやまざくら)や千島桜(ちしまざくら)を観測しているそうです。
ということで、気象庁の3月14に「東京で桜が開花した」と発表したのは染井吉野では2023年は全国で最も早い発表でもあったということです。
なお、現在の気象庁本庁は千代田区大手町にあり、標本木があるのは約4km離れた千代田区九段北の靖国神社になっていますので、気象庁本庁に行っても標本木は見られないのでご注意を。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。
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